【#私たちはつながっている】 3週間のリモートワークで気づいたこと

ABEJAでプロダクトデザインの仕事をしている上野真由美です。

新型コロナウイルスの感染が拡大してから、このキーワードを聞かない日はありません。

「Social distancing」(公衆衛生上、疾病の感染防止のために、人と人との距離を保つこと)

ABEJAも2月からリモートワーク(在宅勤務)を推奨し始め、3月25日から原則出社禁止のアナウンスが出ました。そして先日の緊急事態宣言を受け、絶対出社禁止に切り替わりました。

以前からリモートワークが当たり前の環境だったので、特に大きな混乱や問題はありませんでした。

リモートワークが難しい職業、立場の方達がたくさんいるなか、こういう生活に比較的スムーズに移れたことは、本当に恵まれていると思います。

ただ、そんな私たちも、メンバーがオフィスに1人もいない状態が長期にわたって続く「完全リモートワーク」は初めてでした。

この3週間、私が考えたことを書きたいと思います。


完全リモートワーク、大きな障害はないけれど……。

3月下旬に「原則出社禁止」になった頃、所属するチームの振り返りミーティングでメンバーから出たリモートワークへの感想


これまでリアルに顔を合わせて議論する必要がある会議では、メンバー間で日を合わせて出社していました。それができない「完全リモートワーク」が始まった当初は、正直不安でした。

離れていることで無用な遠慮が生じたり、雑談や議論が気軽にできなったりと、デメリットが大きいのではないかと。

いざ始まってみると、通常業務では、特に大きな障害は感じませんでいたが、雑談がないことで「やりづらさ」も正直感じました。

振り返ってみれば、オフィスというリアル空間に一緒にいたことで、顔色や表情、仕草など、その周囲全体の「なんとなく」の空気感を感じることができていました。

後ろの席の同僚同士のなにげない雑談がなんとなく聞こえてきて、みずから会話に入らなくても空気を読んだり、情報を得たりしていたな、と。

それが自分の周りから消えたことで、「やりづらさ」につながったのだと思います。


通常業務のコミュニケーションは変わらずSlack


「なら雑談すればいいじゃん」

確かに。いまは通信環境さえ整えば、多種多様なコミュニケーションの道具で、顔を合わせた会話はできます。

実際、私が所属するチームも、4月頭からデジタル空間で「雑談」をするようになりました。


チームのリモートランチが始まった。

「業務も忙しいので気軽に雑談ができない」と、メンバーが雑談できるランチタイムをカレンダーに設定しました。めいめいが好きな時に入って抜けるスタイルです。私もサクッとランチを準備して参加しています。

※画像にzoomが使われていますが、セキュリティ観点からGoogle hangout meetsを導入しています。


お米を炊き忘れてパスタに昨晩の残りのカレーをかけた、私のズボラ飯がこちら。


新星のごとく現れた人気者「Remo」

リモートの本格化とともに、メンバーの間で人気が出ているのがオンラインカンファレンスツールの「Remo」です。Remoはテーブルを挟んで会話しているかのように見えるユニークなUIが特徴。イスの場所をダブルクリックするだけで着席、会話に参加できます。

誰かの発表を聞いたり、小さい会議室でミーティングをしたり、少し雑談したいからという理由でコーヒーを淹れて一緒に休憩をとったり。

会議が終わったあとも、個別で少し質問がある場合には着席したまま話しを続けたり、Zoomよりもゆるく繋がるコミュニケーション、という感じで活用しています。


発表を聞いています。


これは雑談中ですね。


「密」を避けつつも、音楽のある空間を共に体験する

プライベートの友人たちともオンラインでつながるようになりました。

いろいろ試した結果、4人以上集まる場合は、顔が見えやすいZoomを使っています。

ただ、Zoomの無料プランは数人で使うと40分で切れてしまいます。切れてはつなぎ直す、を繰り返しながら3時間以上同じTV番組を見ながら雑談したり、友人の猫をZoom越しに呼んでみたり、なにげないやりとりを楽しみました。

真空アンプでレコードが聴けるお気に入りのバーが鎌倉にあります。3月下旬から店は閉まっていますが、マスターは連日、Instagramを通じて自慢のレコードを店から流してくれるのです。Instagramでマスターにハートを送ると、手を振ってくれたり送り返してくれたりして、ほっこり。参加者はそう多くはないですが、インスタライブの参加者数が最後まで変わらない様子を見ると、熱量高いファンがいる様子です。

ライブの様子を撮った写真(上)です。ここには写っていませんが、実は横にもうひとつスマートフォンがあって、友人たちともつながっていました。音楽を楽しみたいので、声を使わないFacebookのmessengerで友人とつながり、文字で「会話」しながらこのインスタライブを一緒に楽しみました。

新型コロナが沈静化してお店が再開したら、生の音を聴きに行こうと思います。


信頼関係があれば離れていても、人と人とのつながりは保てる。

3週間近く続いている「完全リモートワーク」。やりづらさも感じつつ、「当たり前」だったことにあらためて感謝できる、そんな時間にもなっています。

例えば、会社にあるデスクやイス。

私の身体の負担を、どれほど和らげてくれていたのかと痛感します。というのも、自宅でのリモートワーク中は、床にクッションを敷いて座っていますが、腰の痛みに悩むように……。はやくイスと机を買わなければ、肩と腰が崩壊します。

オフィスに行けば仕事に集中できる環境があって、メンバーにも会える。

「あー、会いたいなぁ」と思える、信頼関係を築いたメンバーと働けていたことにも、あらためて気づかされました。

リモートワークが続く日々、私が感じたことを言葉にしてくれたものに出あいました。世界保健機関(WHO)の記者会見資料です。会見に臨んだ専門家の一人は social distancingの代わりにphysical distancingという言葉を使って次のように説明していました。

...you may have heard us use the phrase physical distancing instead of social distancing (中略)...keeping the physical distance from people so that we can prevent the virus from transferring to one another; that's absolutely essential. But it doesn't mean that socially we have to disconnect from our loved ones, from our family.
(...私たちが「社会的距離」の代わりに「物理的距離」という言葉を使っているのを聞いたことがあるかもしれません。(中略)ウイルス感染を防ぐために人と物理的な距離をとるーーそれは絶対に必要なことです。しかし、大好きな人や家族との関係をも社会的に断たなければならない、ということではないのです。)
Technology right now has advanced so greatly that we can keep connected in many ways without actually physically being in the same room or physically being in the same space with people...(中略) We're changing to say physical distance and that's on purpose because we want people to still remain connected.
(テクノロジーが大きく進歩し、同じ部屋、同じ空間にいなくても、様々な方法でつながりを保てるようになりました。(中略)私たちは(社会的距離から)「物理的距離」と言い換えるようになりましたが、それは人と人とのつながりを保ってほしいからあえて言っているのです。)
So find ways to do that, find ways through the internet and through different social media to remain connected because your mental health going through this is just as important as your physical health.
(インターネットやさまざまなソーシャルメディアを使って、人と人がつながり続ける方法を見つけてください。 精神の健康は、身体の健康と同じくらい重要ですから。)


人は、会いたい人には、いろんな手段を使ってつながりを保とうとする。オンラインの映像と音声でも「切りたくない」という感情が生まれるくらいに、人は身の回りの道具を使って人とつながり続けようとする。

私はつながるをあきらめない。そう強く思うようになりました。

家の近くにある茅ケ崎の東海岸。気持ちを切り替えるために、ときどき家を出て歩きます。


上野真由美
働いていた受託制作会社が事業会社に吸収合併され、その流れで自社のメディア立ち上げやBtoC新規事業立ち上げを経験。2015年に株式会社メルカリに入社、主にUS版メルカリの開発に従事。19年、 ABEJAに入社。アノテーションツールをはじめとしたプロダクト改善のデザインを主に担当しつつ、ABEJAのデザイン全般もみている。昨年、渋谷から海の近くに引っ越し、1日7000歩以上を目標にしている。


【#私たちはつながっている】をはじめます。
新型ウイルスの影響で、人と人が「会う」という意味が変わろうとしています。それでも私たちはいろんな方法で、だれかとつながり続けようとします。今まで当たり前だった「つながる」の風景や意味を、さまざまな人たちと考えていくシリーズ。随時更新していきます。

(2020年4月10日掲載の「テクプレたちの日常 by ABEJA」より転載)

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