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【電力・エネルギー特集】最終回:「企業×脱炭素化」これからのかたち

こんにちは、A.L.I. Technologies広報の太田です。
第1回、2回と自社ソリューション「zeroboard」の立ち上げ背景から中身の詳細にまで迫っていきました。

いよいよ最終回。
先週3月3日~5日で開催されたスマートグリッドEXPOで、「zeroboard」発表を終えました。どのような反響があったのか、気づきがあったのかを、今回もエネルギー事業統括の渡慶次にうかがっていきたいと思います!

▼2021年3月3日に発表しました!
CO2排出量を算出・可視化する、SaaS型脱炭素化プラットフォーム「zeroboard(ゼロボード)」を発表

▼こちらを先にお読みいただくと、今回の内容も理解しやすくなります!
第1回:A.L.I.における電力・エネルギーソリューション事業の幕開け

第2回:SaaS型脱炭素化プラットフォーム「zeroboard(ゼロボード)」を徹底解剖!


電力・エネルギーソリューション事業統括
渡慶次 道隆(とけいじ みちたか)

プロフィール:
外資系投資銀行にて債券・デリバティブ事業に携わったのち、三井物産に転職。コモディティデリバティブや、電力xICT関連の事業投資・新規事業の立ち上げに従事。欧州でのVPP実証実験のプロジェクトマネージャや、米マイクログリッド制御のスタートアップへの投資をリードした後、A.L.I.に移籍。電力トレーサビリティシステムの要件定義・開発や、国プロ向けの環境価値取引システムの構築を始めとした多くの電力関連事業を組成。東京大学工学部卒。
・Twitter https://twitter.com/mtokeiji


それでは最終回のインタビュースタート💡

スマートグリッドEXPOの3日間、お疲れさまでした。
今回A.L.I.エナジーソリューションの初の自社プロダクト「zeroboard(ゼロボード)」の発表となりましたね。
展示会を終えて、率直な感想をお聞かせいただけますか。

お疲れさまでした!!毎日ブースに立っていたので結構疲れました笑

でもたくさんの企業や自治体の方が足を運んでくださり、自分たちの予想以上の引き合いをいただけたので、安堵感と喜びがありました。直接反響を肌で感じることができる非常に貴重な機会でした。

いただいた気づきの箇所は今後の開発に活かしていきたいと思います。
また、消費者まで巻き込んだサービスの展開を目指すという世界観についても多くの共感も得られたことは良かったです。


― 具体的にお客様はどのようなことを求められていましたか。

まず良かった点は、実際に企業も自治体もCO2排出量の把握することについて、かなり熱いニーズがありました。

企業からは、自社のCO2ももちろんですが、サプライチェーン全体のCO2を把握したいという声がありました。
完成品を最終消費者に提供する企業もそうですが、部品メーカーが自社のCO2排出量を把握し、それを納品先の企業へ開示していく、それによってCO2排出の削減努力を付加価値としてアピールしていきたいというニーズもありました。


— 「zeroboard」の機能で喜ばれた点はどんなところでしたか。

GHGプロトコルに則って、Scope3までを範囲として算出できる機能があることは多くの方から評価をいただきました。企業にとってこれは非常に計算が大変なんです。
たとえば、企業全体や拠点ごとのCO2排出量よりも、製品ラインごとのCO2排出量を知りたい場合もあります。消費者や取引先など、ステークスホルダーによって見せ方は変える必要がある。
その場合、製品ごとのCO2排出量の算出にも対応できる「zeroboard」はかなり有効であると感じていただけました。

▲Scope3は、商品の材料の製造過程や使用される際のCO2排出量までを含む。


— 今後の開発に反映したいと思われた気づきはどんなことがありましたか。

GHGプロトコルの基準で算出できるのがメリットである一方、国内の基準にも合わせたアウトプットが出来るよう、多様な形式に対応できるようにしていきたいです。
自治体の方とお話した際も、域内の企業のCO2排出量を把握するためのフォーマットとして活用ができそうだ、とのお声もいただきました。

— ソリューションがニーズにしっかりと合致していたんですね。
そういえば、同じブースで掲示していた日立製作所さんと開発した「使用した電力をCO2フリー化できるプラグ」も「zeroboard」を活用したものでしたよね。

そうです。
あれはA.L.I.と日立製作所の2社における共同研究を形にしたプロトタイプのものです。(写真はすべて展示品のプロトタイプ)

コンセントにこの電気プラグを差し込み、そこに使用する機器(パソコンや充電器など)のプラグを差し込んで使うだけという非常にシンプルなつくりです。

そのコンセントを通して使用している電力量を測定し、それをCO2排出量に換算した数値がリアルタイムで表示されます。

アプリでは、カーボンオフセットに利用する環境価値について、実際にその由来となっている再エネ発電所を選ぶこともできる仕組みになっています。

上の写真は「出雲市」の再エネ発電所由来の環境価値を選択した場合のプラグの表示例です。
例えば、自分の思い入れのある土地で作られた環境価値を使う、という選び方もおもしろいのではないでしょうか。

そして、この小口のCO2分をオフセットできるというのがこの「zeroboard」の最大の特徴でもあります。アプリを使い、個人単位で自分が出したCO2分をオフセットすることが可能です。


—  今自分が使っている電力と排出しているCO2が見えるなんて驚きです!
今私がリモートワークをしているだけでCO2を排出しているんですね…
改めて気づかされました。

それこそが、個人への啓蒙になると思っています。
CO2が見えるだけで、ひとりひとりが排出している意識をまず持つことができますよね。
それが脱炭素社会への初めの一歩だと思っています。


例えば、企業がこのプラグを使って、リモートワークする従業員のすべてのCO2排出量を把握し、まとめてオフセットをすれば、『うちの会社はCO2フリーでリモートワークします!』というような環境配慮型経営のPRもできると思います。

その使い方いいですね。
環境に対する配慮もしながら、PRに使えるというのは今っぽいやり方ですね
とはいえ、、、ひとつ聞いてもいいですか。
これが普及したとしたら社会全体にはどんなインパクトがあるのでしょうか。

社会全体に与えるインパクトとしては、環境価値の買い手がいるということは、環境価値の売り手側にお金が還元されることになります。
太陽光発電を持っている企業が価値を売ることによって投資回収が早くなれば、もう一か所作りましょうか、という投資促進になるというのが、環境価値取引が導入されている根本的な考え方です。
環境価値のやりとりによる再エネの追加性については、色々と議論の余地はあるようですが、まず第一歩踏み出すための、仕掛け作りとしては十分な効果があるのではないでしょうか。
少なくとも、多様な買い手が現れ、環境価値の価格が上がっていくことは、再エネの追加性に寄与すると考えられます。

他の例を挙げてみましょう。
例えば、全国各地にある自動販売機にもこのような機能の実装が可能です。そうすると、自動販売機を運営している会社さんにとっては、自社の拠点外のCO2排出量を把握し責任を持つということが可能になります。

日立製作所さんとは「いつでもどこでも自分が使うエネルギーを選択できる、自分の行動によるCO2排出量までを責任を持てる社会になるといいよね」という発想をかたちにしたものが今回のプラグです。

★展示会では日立製作所さんとこのプラグについて説明しました↓

— 中小企業など小規模な事業者はCO2排出量の開示する義務はないと思いますが、「zeroboard」を使ってもらえるニーズはあるのでしょうか。

はい、三点あると思っています。

一点目は、サプライチェーンからの要請です。
特に消費者に近いところにいる大企業が、サプライチェーン全体のCO2排出量の把握をしたいという要望が高まっているので、そのチェーンの上流にいる中小企業にもCO2排出量の開示が求められる社会になっていくと思います。

二点目は、金融機関からの要請です。
グローバルには数年前からESG投資の波がきていますが、最近では地域金融機関も同様の取り組みをはじめています。従来はCO2排出量を抑えても企業にとっては実質的なメリットはなかったのですが、今後は融資基準をクリアしやすい、あるいはローン金利の優遇といった形でCO2排出量削減の取り組みのベネフィットが得られる時代になると言えます。

三点目は、数年内に導入されるであろう炭素税との関係です。
現段階で、自社のCO2排出量の把握、つまりリスクエクスポージャを把握している企業は、将来の税負担の増加に対するリスクマネジメントで一歩先んずることができます。
二点目で触れたように、金融機関がCO2排出量の把握および削減に対するコミットメントをしている企業を評価するのは、そういった非財務諸表情報による企業評価を重視していることの証左でもあります。

このような理由から、CO2排出量の把握というのは、今すでに中小企業も取り組まなければならない活動になっています。そこに高価なコンサルティングを導入できる企業も少ないでしょうから、「zeroboard」のように月額数千円で算出できるなら、使う価値はあると思います。

— 今後どのような展開を期待されていますか。
企業さんへのメッセージもあればお願いします。

今回の展示会では、環境配慮型経営に非常に関心の高い経営者の方に、何人もお会いしました。
各企業の担当部署の方々からは、手探りの中で本気で脱炭素化に取り組まれている熱意を感じ、本事業に対する思いをさらに強く持つことができました。

私たちのシステムもまだ完全ではありません。
また、企業さんの規模によっては、CO2排出量の把握がマストな状況でもないかもしれません。
しかし、脱炭素化の流れは不可避です。これから、すべての人・企業が無関係ではいられない時代になっていくと思うので、A.L.I.がそのお手伝いを出来ればと思っています。

ご興味のある方はぜひお声がけいただければと思います。


▲スマートグリッドEXPOにて。電力・エネルギーソリューションチーム 左より:野底、蓑田、渡慶次、坂本、村林。

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以上が最終回のインタビューでした。

「zeroboard」の着想や機能、活用方法など、私個人としてもかなり興味深く、広くお伝えする機会を作りたく、深堀り取材を行いました。
結果的に3回という長い連載になってしまいました(汗)、、、最後までお付き合いいただいたみなさま、ありがとうございました。
A.L.I.の電力・エネルギーソリューションのこれからの展開にぜひご期待ください。

最後になりましたが、ビジョンや事業に共感してくださる事業開発の新しいメンバーも見つかるといいなと思っております!エンジニアも鋭意募集中です。
ご興味ある方は、ぜひお問い合わせください。

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