こんにちは!データックの藤井です。
長い長いGWが明け、そろそろ通常運転に戻ってきた頃でしょうか...
第2回となる今回は、「データックが大切にしていること」と題して、代表の二宮をはじめ、弊社のメンバーがどのような考えを持って日々仕事をしているか、その頭の中を垣間見ていただけたらと思います。
まず、代表の二宮は“事業を通じて医療をよくしたい”という思いのもと、医療におけるデータ活用の可能性に注目しています。そして、その着眼点こそが、データックの原点です。
さて、ここで皆さんは「データ活用」と聞くと何を思い浮かべるでしょうか?
もしかすると、「データ解析」「アルゴリズム」「AI」といった世間を賑わせる華々しい言葉やイメージが浮かぶかもしれません。
しかし、私たちが大切にしているのは、その基となる「データの整備」です。地道で目立たない作業ではありますが、その先にこそ医療に貢献するデータ活用があると信じています。
以上の考えに基づき、データ活用に必要なポイントとして以下の3つを挙げ、それぞれ説明していきます。
1. 医療データ活用のデザイン
2. データ収集の仕組みづくり
3. データ解析チームの構築
① 医療データ活用のデザイン
データ活用のためには、データ収集方法が適切にデザインされている必要があります。しかし残念なことに、データ収集デザインへの関心は低いままです。多くの病院やヘルスケア企業は「自分たちは十分なデータを持っている」と勘違いし、データの活用方法ばかりに目を向けています。しかし、彼らが当初の目的を達成できるような「使えるデータ」を保持していることは、ほとんどありません。実際に弊社でも、「データ」を大量に持っている病院や企業からデータ解析やAI開発の相談をよく頂きますが、データ活用やAI開発を前提としたデータ収集を行っていないからです。今の医療界では、リアルワールドデータという言葉が独り歩きしているのです。
医療データ活用のデザインを考える上では、
―未来における解析の目的や手法を想定できているのか
―各データに紐づくOutcomeは取得できているのか
―効果測定、前後比較が可能なタイミングでデータ取得ができているのか
―欠損値やデータのばらつきをどうやって抑えるか
―交絡因子や層別化に必要な情報を取得できているか
といったことが論点になってきます。
真のリアルワールドデータを生み出していくためには、治験や介入研究のデザインだけでなく、未来を想像し上手にデザインしていく必要があると言っていいでしょう。
②データ収集の仕組みづくり
「データ収集の仕組みづくり」は、もちろん「医療データ活用のデザイン」のために不可欠です。しかし、ここでは違う視点からその必要性を強調したいと思います。
それは、「データ収集の現場の視点」です。現在の医療界では、国家や学会主導のプロジェクトが数多く走っているがゆえに、データ収集を担う現場が疲弊しています。
そこで、データ収集にかかるコストを削減し、現場のオペレーションが回る中で自然に良いデータが蓄積されていく仕組みをつくっていくことが重要です。
さらに利益の面に目を向けると、確かにデータ収集は医学の発展に役立ち、長期的にはデータ収集元の医療現場にも還元されます。しかし、私たちはもっと短期かつ直接的に現場に、つまり患者さん自身や医療者・病院に還元されるべきだと考えています。
実際に、弊社の臨床研究特化型iPad問診アプリでは、患者さんにデータを返すことや、研究を前提として取得したデータを臨床現場でも活かすような仕組みを、医療機関と強力なパートナーシップを用いながら開発してきました。
③データ解析チームの構築
日本では、解析人材が圧倒的に不足しています。レセプトやDPC、レジストリを用いたデータベース研究が少しずつ盛んになってきてはいるものの、データベース研究の実績がある研究室を持つ大学は数少なく、「研究計画立案→データ抽出→解析→論文化」という一連のプロセスをマネジメントできる人材は非常に希少です。
そのような現状も踏まえて、今後データ解析をリードする主体となる組織は、
―データ解析チームの構築
―データ解析人材の育成
の2つについて、覚悟を決めて取り組む必要があります。
弊社には現在、5名の医学生がインターンとして在籍し、日々データ解析の技術を身につけています。これは非常に嬉しいことであり、今後も一緒にデータ活用の可能性を広げていきたいと思っています。
以上が「データックが大切にしていること」です。
データックの事業の背景にある思いやビジョンに少しでも共感していただけたら嬉しいです。
ここまでお読みいただきありがとうございました!