昨年末、DiverseではBIツール「Looker」を導入しました。おそらく、これを読んでいただいているエンジニアの皆さんにとっても、データ活用は気になるポイントの1つでしょう。
そこで今回は、Diverseのエンジニア3名と、サービスを提供してくださっているLooker社の小澤様、森永様で座談会を実施。Diverseが抱えていた課題感や、データに強い会社になるために描いているこれからの展望についてお話していただきました。
《座談会 参加者プロフィール》
■Diverse
藤田雄大(ふじた・ゆうた):エンジニアとして長くキャリアを積み、2016年にDiverseに入社。現在は婚活マッチングアプリ「youbride」チームの開発リーダーのほか、技術研究を目的に設立されたベンチャー企業のCTOという2つの肩書を持つ。
熊埜御堂将隆(くまのみどう・まさたか):スタートアップ企業や市役所で働いた後、クーポン配布アプリのAndroidとサーバーサイドエンジニアを経験。2016年にDiverseに入社。現在は「Poiboy」チームにてAndroidエンジニアとして活躍中。
今泉智博(いまいずみ・ともひろ):2017年に株式会社ミクシィに新卒入社し、DiverseのPoiboyチームに配属。iOSアプリのエンジニアとして活躍中。最近では数値分析やチームのスクラム開発進行などiOS以外の業務もマルチにこなしている。
■Looker Data Sciences Inc.
小澤 正治(おざわ・しょうじ):Adobe, Salesforce.com, Oracleにてマーケティングクラウド部門の要職に従事。2018年8月より、Looker Data Sciences Inc.のAPAC責任者に就任。VP & Japan country managerを務める。
森永 道(もりなが・みち):商社系SIerにてAmazon Web ServicesをはじめとしたIaaSの営業を担当した後、Lookerへ入社。2019年より、株式会社DiverseのAccount Executiveを担当。
BIツールが定着しない、クエリが属人化している…などの課題をLookerでなら解決できると思った
ーそもそも、Lookerを導入しようと思ったのはなぜですか?
藤田:データ分析や解析に課題を感じていたんですよね。これまではクエリを実行してビッグデータからスプレッドシートに書き出す方法で運用していました。でも、クエリを実行するは、SQLの知識が必要。誰でも簡単にできるわけではないので、クエリを実行する作業がエンジニアの中でも属人化していったんです。その結果、自分たちのやるべき仕事に集中できない時が多々あって、良くない状況だなと思いました。
※導入時の課題について、詳しくはこちら
それで、海外で人気を集めており、エンジニア目線でも使ってみたいと感じるBIツールとして、「Looker」を導入してみたいと思ったんです。
Looker・小澤様:お問い合わせいただき、課題感を伺ってみると、まさにLookerでなら解決できるのではないかと思いました。
Lookerは一度データ定義をしていただけたら、簡単に他の事業部にも展開できるのが特徴。複数事業を持っている企業とも相性が良いので、Diverseさんにぴったりだと思いました。
熊埜御堂:複数事業を手掛ける上で、簡単にデータを展開できるのはありがたいなと思いました。Diverseもゆくゆくは、職種を問わずデータを共通言語として話せるデータドリブンな会社にして行きたいと思っているので。
それに小澤さんが「ぜひ、良い形を見つけながら、私たちと並走して進めてみましょう」と言ってくれて、心強いなと思いました。
Looker・小澤様:Lookerは現在、全世界で1800社に導入されており、その事業規模や業種はさまざまです。ただ、どの企業もデータカルチャーとデータガバナンスに対する課題を持っているという共通点があります。
そういう意味で、これからデータ思考をより強めていこうとしているDiverseさんに、様々なユースケースの共有などを通してデータ文化が根付く支援をさせていけるのではないかなと思ったんです。
藤田:サービスの充実具合はもちろん、Diverseのことを理解し、きちんと根拠立ててLookerとDiverseの相性が良いことを説明してくださったのが好印象でした。正直、導入するか迷う余地もありませんでしたね。ネックになったのは費用面くらい(笑)。
エンジニアである僕たちの意見は一致していたので、経営陣に「Lookerを導入したい」とすぐに提案しました。経営陣もデータ分析の重要性を感じていたようで、スムーズに承諾してくれて、導入が決まりました。
▲Looker_Dashboard
トレーニング開始、気軽に触れられる環境へ
ー導入にいたるまで、かなりスムーズでしたよね。現在はトレーニング期間ですが、どういう風に活用していらっしゃいますか?
藤田:「YYC」チームのディレクターが、すでにLookerでビジュアライゼーションを作って、それをディスプレイに映し出しています。今までスプレッドシートで運用していたデータを簡単にグラフ化できるようになって便利になりました。それに、データとは触れ合ってこなかったメンバーがデータを眺めている様子を見受けられ、少しずつですが効果を感じています。
Looker・森永様:先日、訪問させていただいた際に、会議用の大きなディスプレイにLookerのダッシュボードが映し出されていて、早速ビジュアライゼーションを活用いただいているなと嬉しかったですね。
今泉:「Poiboy」チームの場合は、僕と熊埜御堂が解析のための基盤を整えています。エンジニアがプログラミングすべきところまでしたら、あとはビジネスサイドのメンバーにレクチャーして、エンジニアとビジネスサイドのメンバーが二人三脚で活用している段階です。今後はLookerを使える人をもっとチーム内に増やして、全員が自走できる環境にしていきたいと思っています。
事業部を超えた共通言語にすることが、活用のカギ
ーLookerさんから見て、Lookerの運用や活用のポイントってありますか?
Looker・小澤様:1つ挙げるとすれば、今は、個別の事業部単位でデータ分析文化の定着化させている状況だと思うのですが、事業部をまたいだアプローチを早期から進めることがおすすめです。 複数の事業を展開していく中で、データガバナンスをどう担保するかが今後のデータ分析・活用における重要なポイントとなるので、データ定義を一元管理し、運用する基盤としてLookerを検討いただくことが重要だと思います。
実際、事業が複数ある会社だと、データ定義や言葉の認識が担当者やチームによって微妙に異なるという問題が起きがちです。同じデータを見ているはずなのに、返ってくる値が違ったり、データの一貫性が崩れていることが頻繁にあります。ですから「LookML」というSQL抽象言語を用いて全社横断のデータ定義を作成し、どの事業部の誰に聞いても、データ分析した結果、同じ値が返ってくるという当たり前の状態を早期から作っていただけたらなと思います。
ー逆にLookerのトレーニングをしていて、苦戦していることはありますか?
熊埜御堂:苦戦している部分…特にないんですよね(笑)。Lookerはモデル定義をyaml形式で記述できるので、エンジニアであれば抵抗感なく学習することができると思います。
それにLookerさんって、サポートが手厚いんですよ。まず、森永さんがされているAccount Executive職の方とProfessional Serviceの方が、データの分析と活用促進のためのコンサルティングとツールの導入支援、トレーニングなどをするために訪問してくれます。
それに、メールだけでなく、ライブチャットで気軽にカスタマーラブ部門(テクニカルサポート)に質問できるんです。さらには、ユーザー企業のデータ活用支援を行なうカスタマーサクセスもあるそうで、今後、本格利用していく中でも安心だなと思っています。
Looker・森永様:2019年2月から日本語でのライブチャットも対応可能になりましたので、今まで以上にご活用ください!
データドリブンな会社を目指して、パートナーとして手を組む
ー今後、Diverseがデータドリブンな企業になるために、どのようなことをしていく予定でしょうか?
藤田:まずは、自分たちが理解することが大切ですね。そのあとで、ビジネスサイドのメンバーにデータのすばらしさを啓もうしていきたいなと思います。
というのも、マーケティングチームが、自分たちでパっとデータを出せるようになったら、これまで数字を出すたびにエンジニアが出動していた問題が解決され、お互いに楽だし、幸せだと思うんですよ。
実はすでに、4人くらいずつ集めて少人数の社内勉強会も開催しているので、少しづつ根付かせていきたいなと思います!
熊埜御堂:中には、データと聞いただけで抵抗がある人もいると思います。たぶんSQLを書くこと自体が難しいんだろうなって。だから、エンジニアが主導となって進める上で、なるべく抵抗感なく、怖くない世界を描けるかには気を付けていきたいですね。
今泉:確かに、初めて経営的な数字に触れる時、Excelの表に並んだ大量の数字を目にした瞬間にどうしても「うっ」ってなってしまうことってありますよね。だから、「集計された数字は読めるけど、細かいデータの数字を扱うのは無理」という人がいるのも当然だと思います。どうしていけばいいんだろうな…
Looker・小澤様:とにかく走りながら、やっていくことが大切かなと思いますね。日本企業って、どうしても自分たちで完璧に準備してから、始動しようとしがち。でも、その結果、手が回らなくなって「やっぱりいいや」って投げだしてしまうことも多いんです。ですから、そうならないためにも、ぜひLookerやLookerのサポート体制を利用して、アジャイルにプロジェクトを走らせ、データ分析のブラックボックスを作らないことを意識してもらえたらなと思います。
Looker・森永様:私たちはDiverseさんをお客様であると同時にパートナーだと思っていますし、私自身、営業というよりもコーディネーターの立場でお伺いしています。グローバルで1800社以上のクライアントとお取引きした実績を武器に、データドリブンなカルチャーを根付かせるお手伝いもできると思います!
そして、さきほど熊埜御堂さんがおっしゃっていたように、Lookerにはフェーズに合わせたサポート体制が整っていますので、遠慮せずどんどん活用してほしいです。
藤田:心強い…。導入前に速度面でのボトルネックがあり悩んでいると率直に伝えたら、Lookerさん側から働きかけてくれて改善にあたってくれたのは、ありがたかったな…。
熊埜御堂:データや自分たちの事業を深く理解していなきゃ分からないような提案をしてくれているなと感じることも多いですよね。一般論ではなく、Diverseならではの可能性を示してもらえて。
今泉:なんだかLookerさんと一緒なら、ビジネスサイドの人間にも、データドリブンなカルチャーを根付かせられる気がしてきました!道のりは長いですけど、データドリブンな会社としてやっていけるよう、Diverseも頑張っていきます!
ーみなさん、ありがとうございました!
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