エフ・コードのカスタマーサクセス。創業メンバーの荒井裕希は、なぜ今これに泥臭く取り組むのか?

今回の記事は、10年以上に渡るエフ・コードの歴史のなか、創業から経営陣としてコミットしてきた荒井裕希のインタビューです。会社の規模・フェーズが移り変わる中でさまざまな業務の最前線に常に立ち続けてきた荒井が現在注力するのは、SaaS企業の命運を握るといわれるミッション、”カスタマーサクセス”です。これまでの道のりを経て、現在のエフ・コードにとってのカスタマーサクセスとは何を意味するのかについて語りました。

――よろしくお願いします! 荒井さんにインタビューとなると、どうしてもすごく遡ってエフ・コード創業以前の話から……となってしまいますね。

そうなりますよね。そもそもの話でいうと、大学時代のインターンシップ先で、当時同じく大学生だった社長の工藤さんと一緒になったのがきっかけでした。当時のインターンシップ先の会社は、経営戦略や営業、人事領域のコンサルティングや、教育研修などを提供する会社でした。そこで工藤さんとともに修行をしていた感じですね。在学時から卒業後含めて4、5年間でした。その後、インターネット領域であれば、若くても世界を相手にビジネスができそうだと感じてエフ・コードの立ち上げに至り、参画しました。2006年の創業当初は本当に「インターネットで何かしたい」という思いだけでやっていましたね。

――「荒井さんにも大学生の時期があった」ということがにわかには信じられないわけですが。

一応大学生やっていましたよ!インターンシップをやっていた20歳くらいのときも、普通に30代に見られてましたけど。(笑)

100を超える個別案件の分析や施策から生まれたSaaS

――創業当初からしばらくの間は、まだSaaSの会社ではありませんでしたね。

そうですね、今もやっていますが、創業からしばらくはWebコンサルティング事業、インターネット広告の代理事業のみでした。幸いご縁に恵まれて仕事も多くいただき、毎日楽しく仕事をしていました。

ただ当時、同様のビジネスを手がける会社は増えていて、差別化が必要でした。

そこで、ただ単純に「広告出していくらです」ではなくて、より深くお客様のビジネスに踏み込んで、お客様にとってのデジタルマーケティングのあるべき姿から提案するようになっていきました。

大きい絵を描いてご提案をしつつ、一方では、他の会社さんでは対応しないような、緻密な解析をやったりと業務範囲も広がっていきました。結果的に、広告をはじめとした集客施策から、ウェブサイト全体の改善施策まで、一気通貫でお手伝いをするようになっていきました。

ここでは、インターンからとはいえ経営コンサルティングの会社でしばらく働いていた経験が活きました。コンサルタントとして一人前とはいえないにしても業務の基本エッセンスや何より大事なスタンスの部分は経験していましたので、それがWebコンサルティングをすることにおいても大変役立ちました。

――そこから、どんな風にSaaS事業へ展開していったんですか?

SaaS事業に踏み込むきっかけは、当時行っていた数百のお客様の個別分析・提案のなかで、それぞれに共通している課題や打ち手が見えてきたことです。それをSaaSという形で体系化し、ソリューションとして提供し始めた、ということになります。

初めてトライしたのがEFO(エントリーフォーム最適化)でした。当時マーケットの中には、他にも同様のプロダクトはありました。しかしそれらは価格が高かったり、あるいは機能が必要十分ではないと見て、お客様の声を聞き、我々が手掛けてきた課題感と解決策を盛り込んだものをリリースしました。結果的に順調にお客様も増え、今では約3,000件のエントリーフォームにこの「f-tra EFO」をご導入いただいています。大変ありがたいことです。

これがSaaSビジネスとして最初の成功体験でしたが、一方でそこには学びもありました。最初は機能が適正価格で提供されていればお客様も増えていくだろうと単純に思っていたのですが、そう単純な話ではありませんでした。お客様からすると、あくまでEFOなどのツールは道具のひとつであって、それを用いてどういう課題解決するかが大切であり、悩ましいところなわけです。


 (日々、カスタマーサクセスチーム内で、顧客の課題や有効な打ち手を模索)


カスタマーサクセスという観点

――実際にツールを提供していくことで初めて得る気づきもあったわけですね。

企業のデジタルマーケティング担当の方、つまりエフ・コードにとってのお客様の視点で見ると、その業務には広告運用やサイトのシステム、コンテンツ作りと様々なものがあります。しかも、これらについて全方位的に業務をされている方が多い。つまり、少ない人数で多忙を極める役割であり職種であるということです。

そのため、ツールを提供して、あとはお客様のお好きなようにお使いくださいといった形では、十分ではありません。実際に、個別のお客様ごとに「ウチではどういう風に使っていけばいいか」とご相談いただくことも多くありました。そこで個別にプランを立てて、ツールを使って施策を回して結果を検証して……ということをやり続けた結果、高い成果も出て、お客様から感謝の声を頂くことが増えていきました。2010年頃は、日本国内ではまだ「カスタマーサクセス」という言葉は聞かれませんでしたが、今思えばやっていたことはカスタマーサクセスそのものでしたね。

――SaaSとしてどんどんツールを提供していくなかで、カスタマーサクセスへの意識も高まっていったと。

その段階では、SaaSとしてはEFOのみの提供で、いわばユーザー行動の「出口部分」でのお手伝いだけでしたが、それでお客様のお力になれるということがわかりました。それを受けて、次はこれまで個別のお客様ごとに手がけてきた改善のノウハウを活かし、サイト全体でのUI/UXの改善をができるだろうと、Web接客ツールを自社で開発しはじめました。所在も解決策も多岐に渡る課題に対し、できるだけお客様にとって手間なく、しかし有効なPDCAを回せるようにという考えで作ったのが「f-tra CTA」です。それが、現在のプロダクト「CODE Marketing Cloud」につながっています。

こちらのプロダクトもおかげさまで多くのお客様にご利用いただけています。ECや不動産、金融といった業界のトップから中小のお客様まで、それぞれCVRやCV数、LTV等について大きな改善をさせてもらっています。

すべての活動は顧客の成功のために

――カスタマーサクセスという業務がいきなりポンと発生したのではなく、エフ・コードの道のりにおける必然として生まれてきて、しかもそれが荒井さんの道のりとリンクしているように思います。そのあたりお聞かせいただけますか?

まず自分自身のファーストキャリアについて言うと、最初にお伝えしたインターンシップ先は、自分が参画したのは創業前の状態で、当時まだ数名のベンチャーでした。お客様への営業活動からはじまり、サービスのデリバリーや採用活動もやっていました。それこそ小さい会社なので総務もやりました。最初に会社で働いた経験がこういったものだったので、職種や階級によらず自ら手を出し進めていくものだということが身につきました。

エフ・コード創業時も人が少なかったこともあり同様の働き方でしたね。最初は特に、とにかくお仕事を頂かなければ立ち行かないので、テレアポをやって営業していました。おかげさまで機会をいただき、すると今度はデリバリーが大変になるので、デリバリーしつつ採用もそして営業も……という感じで。

プロダクトが出来上がったときも、プロダクトの営業やマーケティング、アライアンス、さらにお客様の要望も出てくるためプロダクトの改善にもコミットしました。また、組織の急激な成長や変化もあり、社員が30人を超えるところで経営管理が大事になる文脈があったので、最適配置の結果として経営管理を受け持つこともありました。その後、経営管理については専門の方に入っていただき、うまくいきそうになったところでSaaS含め全体の営業・マーケティングをやって。今現在は、主要プロダクトであるCODEの価値を最大限発揮し、お客様の事業成長に貢献するため、カスタマーサクセスをやっているという感じです。

――ベンチャー企業ならどこの会社でも当たり前のことかもしれませんが、大変な役割に変わりはないですよね。背景にどんな思いとか原体験があるんですか?

インターン時代よりもっと遡ると……親父が30代中盤に脱サラして飲食店をはじめたことが関係あるかもしれないなと思います。当時の親父の動機や目的はわからなかったんですが、ある時お店をやることになり、当然ちょくちょく手伝うようになりました。横目に親父の仕事を見ていると、料理を作ってお客様をおもてなしするのはもちろんのこと、別の側面としては、会社として財務があったり、人の採用や教育があったり、新規事業として別の業態のお店も出したりなど、食べ物屋さんといってもこんなにやることが多くあるのかと思っていました。それが働くということの原体験ですかね。「自分で商売する」ということは身近だったし、うまくいくようにするために、自分がなんでも手を出していくもんだ、と自然と思っていましたね。

――「荒井さんにも小学生の時期があった」ということがにわかには信じられないわけですが。

一応小学生やっていましたよ!お店を手伝っていたとき、高校生のアルバイトに間違えられたことも多々ありましたけど!(笑)

それはさておき、会社の状況として「この役割をやらざるを得ない」ってことは当時も今もありますが、取締役という自分の立場もあって「義務と意志が限りなく近い」といえます。人間ですから、正直辛い気持ちになることもありますが、経営陣として他の誰よりも強く当事者意識を持ち、手を出し、コトを前に進めないといけないと創業時から変わらず思っています。

SaaS事業のスケールと、個客目線に立つことの両立

――「義務と意志が近い」というのは、顧客目線に立つためにも重要なことなのかな、と思います。

たとえば人に対するときの意志としては、一般によく言われることではありますが「ご縁」を大切にと思っています。人間、この世に生を受けた瞬間から、1人あたりに1秒使って地球上の約70億人全員に会おうとしても200年以上かかります。一生かけても全員と会うなんて無理ですよね。そんな中で何かしらのご縁があって一緒に仕事をしている、ということを大切にしたいなと思っています。これは社内外問わなくて、お客様に対しても、エフ・コードの仲間に対しても常々思っています。

そこで「顧客目線」、お客様の立場に立つ上でしなければならないこと。大事なのは「数あるお客様のひとつ」One of themにしない・ならないということです。お客様ごとのお悩みや事情をくみ取った上で解決策を出すべきですし、まずはそういう顧客目線に我々から近づいていくのが筋だろう、と。一社ごと、お一人様ごとに興味関心を持ち、分かる範囲で予習し、仮説を持った上で傾聴する。信頼関係の基本だと思っています。

――一方で、SaaSとしては膨大な数のお客様に提供していく、という難しさもあるのではないですか?

SaaSなのでもちろんそうです。今でも数百社のお客様にプロダクトを提供していますし、ゆくゆくは数千・数万社へ提供していきます。エフ・コードの掲げる「マーケティングテクノロジーで世界を豊かに」というミッションを実現するためにはそうなります。

その一方で、先ほどお話ししたように、数だけでは見たくないと思っています。会社ごとに必ずビジネスの特性や課題は異なるので、個別の状況やご要望をできる限り余さず汲み取り、そこで役立つことを考えたいと思っています。その積み重ねが、あらゆるお客様にお役立ちできる機能やUIを備えるSaaSとしてスケールすることに繋がっていくと考えています。

個別のお客様ごとに使い方やそのインパクトは異なるはずなので、そこでお客様とプロダクトの間を繋ぐ役割を担うカスタマーサクセスが大事になってきます。「ただ使ってもらえばいい」ではなく、お客様のビジネスを理解した上で、お客様の同業界の競合さん、そしてお客様の先のユーザー(つまりお客様のお客様)がどういう方なのかをきちんと理解するように努めています。実際にお客様の数は伸びていますので、あとはサービスを含めた品質もよりしっかりと担保していく仕組みづくりを進めていくことですね。



サブスクリプション化する今だからこそ、カスタマーサクセスへのチャレンジを

――ところで、会社の風土というか雰囲気作りみたいな点でも、荒井さんの存在は欠かせないのではと思います。冗談を言って和ませたりとか。

先ほどの「ご縁」の話とも通じますが、エフ・コードにいてくれる人たちには、やはり所属して仕事するのを楽しいと感じてもらいたいし、そうであれば嬉しいですね。当社の場合は、頭が良くて真面目な人が多いこともあり、それゆえ逆にちょっとラフになるところがあってもいいよねと思っているところはあります。もっともらしく言っていますが、自分がおふざけが好きなだけ、というのも大いにあります(笑)。

――そんなエフ・コード、特にカスタマーサクセスに、今度どんな方が加入して欲しいですか?

「カスタマーサクセス」は、ここ数年でひとつの職種として成り立ち広く認知されてきています。あらゆる業界・サービスがサブスクリプション化しつつあり、今後ますます重要になっていく職種であり、エフ・コードも数年前からこれをデジタルマーケティング領域で推進してきました。しかしながらまだ確立されていないこともあり、新たに「デジタルマーケティングにおけるカスタマーサクセス」という領域で実際の経験を積みたい方にとっては非常に良い環境です。これは魅力だと強調したいですね。

カスタマーサクセスは、総力戦というかトライアスロンに近いような部分があります。一定のデジタルマーケティングに関する知識が必要ですし、問題発見・解決思考も必要ですし、かと思えばクリエイティブに関しても一定以上強い必要があるなど。つまり、かなり様々な種目が内包されているといえます。難易度が低いものではないけど、カスタマーサクセスとして経験を積むことは、ひとりのビジネスパーソンとしてケイパビリティを大きく広げるには非常に有効ではないかと思います、特にこれからあらゆるビジネスがサブスクリプション化していくこのタイミングにおいては。未経験でも歓迎です。我こそはという方、ぜひお待ちしています!

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