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freeeの新たな挑戦を支えるIRプラクティス

freeeのファイナンスIRの重光です。
4/9に原が「freeeが海外公募増資に至るまでの思考過程」を、4/16に内田が「海外公募増資の主要タスクと投資家マーケティング」と、海外公募増資について投稿しました。

IPO後初めての公募増資ということもあり、手探りで進めたものの、最終的に多くの機関投資家にディールに参加していただきました。なぜ公募増資をうまく進めることができたのか、振り返ると、機関投資家とのロードショーで『freeeのエクイティストーリーを十分に理解していただけたこと』が要因としてあると思います。

プロダクトの拡充や業績など、全社の取り組みを評価していただいていることはもちろん前提にあります。これに加え、日々のIR活動では、多くの機関投資家と密にコミュニケーションを取り、事業概要や足元の業績についてディスカッションをしています。そのため、ロードショー期間中は、将来のビジョンに関して多くの時間を費やすことができました。

特に意識していたわけではなかったですが、今思うと、『公募増資に向けて、将来のエクイティストーリーをディスカッションする土台がファイナンスIRも機関投資家もできていた状態』であったのではないかと思います。この記事では、何がこの状態を作り上げたか、3つのポイントに分けて振り返ります。

1. より強化な関係構築のために - 通訳なしで、自分たちの言葉で語りきる

freeeのIR面談では、海外期間投資家との面談やカンファレンスは、通訳を通さずに自分たちで英語で話します。通訳を入れてしまえば、早く正確に伝えられるじゃないかと思われるかもしれませんが、実はこれが投資家との信頼関係構築に一役買っているのではと、私は思います。

私はCFO東後との面談にも同席しますが、IRメンバーが対応するときよりも、マネジメントメンバーだからこそ向けられる質問も多くあります。足元の業績だけではなく、今までどういう挑戦をし、そこから何を学び、生かしているか、マネジメントとしての姿勢や覚悟というものを問われます。これを私を含め他の人がどれだけうまく話しても、実際に苦難を乗り越えてきた東後の口から出る言葉やそのときに発する熱を帯びた雰囲気に敵うものはありません。

また、弊社はコーポレートカルチャーもユニークで、「どういうプロセスで、今のカルチャーに至るのか?」や「どういう人材がいるのか?」という質問も聞かれます。これも社内の人間である私たちが話すことで、適切なニュアンスと言葉で伝えることができます。

freeeのファイナンスIRでは、上場以降は各四半期において120件から150件程度の面談を行っています。チームとして特別に目標を掲げているわけではないですが、『どのメンバーも一言一言にこだわりを持って、自分たちで伝える』という意識で日々の面談に臨む、というプロフェッショナルな空気感が自然と醸成されています。通訳を入れずに英語で話すことを含め、こういった姿勢が、投資家の方々との信頼関係構築に影響するのではないでしょうか。

2. 情報を簡潔にスピーディーに - 読み手に向けた2つの取り組み

ファイナンスIRは、忙しいバイサイドアナリスト・ポートフォリオマネジャーやセルサイドアナリストに向けて、適切な情報を分かりやすくコンパクトにお届けしたいという思いを持っています。そのために取り組んでいることを2つご紹介します。

①より早く、多くの地域の投資家に決算情報を伝えるため、英語のグループコールを決算説明会直後に実施

弊社では、決算説明会を日本時間の夕方に行っています。日本やアジアの投資家であれば、この時間帯に参加できるのですが、アジア以外の地域の方々は時差の関係で参加が難しいです。また、言語も日本語になるため、基本的に、国内の機関投資家にターゲットされたものになります。

浮動株のうち87%を海外の機関投資家が保有している(2020年12月末時点)状況を踏まえ、2021年2月発表の決算説明会から、『日本語の決算説明会実施後に、英語で決算説明会資料を用いたグループコール』をすることにしました。

2021年2月発表のときは、決算説明会を実施した直後の日本時間夜に、英語のグループコールを開催しました。実際に、欧州を始めとした地域の機関投資家にご参加いただき、英語でやってもらってよかったという声もいただきました。

次回の2021年5月発表のときは、決算説明会の翌日朝に英語のグループコールを行う予定で、北米の方々にも参加していただきたいと思っています。

英語のグループコールは証券会社のセルサイドアナリストにホストしていただく形を取っているため、ファイナンスIRの実務の負荷が大きく増えたということはありませんでした。(なお、証券会社主催ではなく自社開催とすべきという考えもありましたが、現状は、集客のために証券会社の力を借りたいことと、チームのキャパシティの観点から、このような形としています。)

面白そうだなと思ったことを「アウトプット→思考」でやってみるというのも、freeeのファイナンスIRが得意としていることでもあります。

注:アウトプット→思考 まずはアウトプットしてから考えようというfreeeのカルチャーの一つ

②決算説明会のトランスクリプトは和英で速攻出す

ファイナンスIRでは、日本語と英語の決算説明会トランスクリプトをIRサイトに掲載しています。決算説明資料はできるだけ簡潔にメッセージを載せ、その他の細かい部分は、トランスクリプトを読んでいただくと、どういう決算説明会だったのか全体感を掴むことができるようになっています。(決算説明資料の詳細については、原が書いた 日本発SaaS企業としての責任感をシンプルに。freeeが決算説明資料に込めた「思い」をご覧ください)

決算説明会の動画をIRサイトに載せる、または、そもそもトランスクリプトをIRサイトに掲載しないという考え方もありますが、忙しい投資家の方々に必要な箇所だけサッと目を通していただきやすいように、弊社ではトランスクリプトを掲載しています。

また、決算説明会後できるだけ早く掲載することも心がけています。実際に多くの方々が、このトランスクリプトを事前に読んでIR面談に臨んでいただいているため、投資家との個別面談におけるディスカッションもより濃いものにできていると思っています。

読み手に負荷なく情報を受け取ってもらう、これもファイナンスIRが常日頃意識して取り組んでいることです。

3. もっと多くの人にfreeeの中長期成長を応援してもらえるように - 投資家層の開拓

上述の1で書いた「自分たちの言葉で伝え切る」は、既に面識のある投資家と深い関係を築くための動きですね。「投資家層の開拓」というのは、まだファイナンスIRが会ったことがない投資家にも積極的に接点を持ちにいくということを指しています。

今回の公募増資では、日頃から関係がある投資家の方々に、エクイティストーリーを理解していただいたため、うまく進めることができたと実感しました。もっと多くの投資家の方々にサポートしていただけるように、証券会社を通して、面談の機会を設けてもらっています。

具体的には、証券会社に「過去に面談履歴がある投資家リスト」を共有し、まだ会ったことがない方たちと面談できないか依頼しています。また、過去に会ったことはあるが最近面談をしていない方たちとも、再度面談の機会をもらえないか、証券会社経由で依頼をしてもらっています。

このように、面談のリクエストをもらう「待ちの姿勢」だけでなく、将来を見据えて自ら動くことが、ファイナンスIRひいてはfreeeの中長期成長を支えるものと考えています。

最後に

今回海外公募増資に挑戦したことは、freeeの中長期成長に向けた新たな一歩だったと思います。

更に理想を追求し、多くのユーザーにマジ価値を届ける、この長い道のりを一緒に伴走してくださる投資家の方々に向けて、今後もファイナンスIRらしいプラクティスを積み重ねていきたいです。

注:マジ価値 本質的(マジ)で価値あるの略で、ユーザーにとって本質的な価値があると自信を持って言えることをする

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