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あなたは青と赤、どちらの薬を飲むか

「これは最後のチャンスだ。先に進めば、もう戻れない。青い薬を飲めば、お話は終わる。君はベッドで目を覚ます。好きなようにすればいい。赤い薬を飲めば、君は不思議の国にとどまり、私がウサギの穴の奥底を見せてあげよう」

映画マトリックスでモーフィアスがネオに選択を迫る有名なシーンだ。安全で平和な世界に留まるか、辛いことばかりだが、この世の真実に触れてみるか?スタートアップでも、こうした選択を迫られることがある。

このnoteを読んだ後に、自分に問いかけて欲しい。あなたは、どちらを飲むのか?

目次

  1. 最高の人材を雇う
  2. 1.現実的な成功ストーリー
  3. 2.不都合な真実
  4. 3.NASAと同じくらい最高な人材を集めたい
  5. 4.僕自身が赤の薬を飲んだ瞬間
  6. 5.権限を奪ってくれる方を探しています
  7. 6.(あとがき)カルピスサワーも飲みたいですね〜

最高の人材を雇う

比喩的な表現から始まったが、このnoteのテーマは採用だ。

スタートアップにはとても重要な定説がある。最初の10人は妥協せず、最高のメンバーだけを雇えという教えだ。最初に集いし10名の選ばれた創業メンバーこそが、考えられうる最高の人材。

果たして、その確率はどのくらいなのだろう?そもそも、社長である自分自身、とてもS級の人材だとは思えない。

1.現実的な成功ストーリー

本当のストーリーはこうだ。
創業メンバーは、成長途上の冒険心のあるメンバーで、決してまだ最高の人材ではない。その素養はあるが、そこに到達するまでには経験や、努力が必要だ。

優秀な人材を採用することは、会社を成長させるための最重要課題だ。そこで、スタートアップは必死に錯覚資産を積み上げる。錯覚資産とは、「人々が持っている、自分にとって都合の良い思考の錯覚」のことだ。

↓の本が詳しい。

例えば、一代で100億円企業を作って上場させた社長が、経営論を解いた場合、もっともらしく聞こえてしまう。みんな無意識にそれを信じる。

ハロー効果という要素も存在する。「1つのプラスの属性に引っ張られて、他の属性も優れているはずだと思いこんでしまうこと」。つまり、ある人が面白い小説を書いたら、その人が適当にTweetしたことさえも、センスがある深い言葉に感じられてしまう。

スタートアップは錯覚資産と、創業者のハロー効果なども利用して、自分たちを実態以上に大きく見せて、最高の人材を集める。

最高の人材が参画すると、会社の成功確率が上がる。結果が出ると、それがまた錯覚資産を積み上げ、良い人材が集まる。こうして、会社は成功する。創業メンバーは、あらゆる手段を講じて自分より出来る人材を雇い続けなければならない。

2.不都合な真実

自分より出来る人材を雇い続ける。

これは、とてもキツイことをメンバーに強いる。自分が現時点で最高の人材ではないと認めなければならない。そして、後から入ってくるメンバーに自分の職位を抜かれる可能性がある。

コンフォートゾーンから一瞬にして追い出されてしまう。それだけではない。その瞬間から、さらなる成長や勝負を求められる。

自分がコントロール可能で、自分より少しだけ弱い候補者を雇うことは心理的に安全で平和だ。会社はどんどん居心地が良くなるだろう。自分の下に、どんどん新しいスタッフが入ってくる。気づいたら役員になっているかもしれない。

この人をAさんとすると、この会社はAさんと同じか、少し弱いメンバーが入社していく。つまり、どんどん弱くなっていく。成功確率も下がっていく。

めちゃくちゃ薄いカルピスみたいな組織になる。

創業メンバーはカルピスの原液だ。ここに、薄いカルピスや水を足すとどんどん薄くなってくる。逆に、自分たちより濃い原液を足すべきだ。

リクルートが強いのは、地頭も良くてコミュニケーションスキルも高い奴らが飛び込み営業やテレアポしているから強い。

そんなルーティンワークでも優秀な人間にやらせてしまう(大変だった)。なぜなら、その上にはもっと強い奴らしかいないからだ。特濃カルピスな組織だ。

ここで、冒頭の2通りの選択がある。
会社・事業の成功のため、不都合な真実を受け入れ、ネオ同様に赤の薬を飲むか?それとも、青の薬を飲んで平和な日常に戻るか?

3.NASAと同じくらい最高な人材を集めたい

NASAが人類を月に送ったのが1969年。今から約50年前のことだ。

人を月に送り込むのと、現場の紙をデジタル化すること、どちらが難しいのか?なぜ、2020年にもなって、まだ解決されていないのか?

それは、今まで最高の人材がこの問題に取り組んでこなかったからだ。だから、この時代にIT化の恩恵を受けられない人たちが3,000万人も存在している。

私たちは、ノンデスクワーカーの市場に賭けている。日本中のブルーカラーの現場で利用される圧倒的なNo.1サービスになる。SaaSとして、ARR100億円を本気で狙えると思っている。

今も素晴らしい人材が集まってくれているが、もっと仲間が必要だ。それも月に人類を送り込んだような、最高のチームにしたい。

4.僕自身が赤の薬を飲んだ瞬間

これは通過儀礼だ。頭では分かっていても、心が納得しない。いや、自分が実際に最近通った道だから、その辛さが分かる。だから、こんなドキュメントが必要だと思って、社内に向けて書いている。

「社長は会社で一番優秀じゃないといけない。そうじゃないと、皆付いてこない。優秀な部下が入ってくると、みんなソイツの言うことばかり聞くようになるんじゃないか?」

正直に告白すると、マジで、そんな風に思ったことがある。本当に小さな人間だと恥ずかしくなる。

幸い、今は違う。

貞観政要を読んでみたり、SmartHRの宮田さんのブログを読んでみたり、実際に仕事をする中で自分が皆より優れていることは殆どない事を知っている。1つだけ自信があるなら、それは「人を見る目」くらい。それだけは昔から優れていると思ってる。この事業に対する熱量も一番だ。でも、それだけだ。

自分の考え方を大きく変えてくれたのは、PdMの後藤がある日、自分に言い放った一言だ。

本当はもっと酷いことを言われたのだw

GTO(後藤)「諸岡さん、プロダクトの権限持ち続けるなら、PdMとしてめちゃくちゃ成長して10XのYamottyさんレベルになるか、それが無理なら、僕に全部渡して下さい。諸岡さんがしょぼいとプロダクトが強くならない」

こんなことを言い放った。正直グサリと胸に突き刺さった。多分間違いなく、その瞬間動揺していた。

でも、そこで自分は赤い薬を飲んだ。

自分は後藤よりも劣っている。思考の量も深さも、例え社長業ではなく、PdMに集中しても敵わない。そして、思った。今まで自分が業務を握って、出してきたアウトプットは20点や30点といったレベルだったことを。

自分がそんな状態でプロダクトの意思決定をやっていては、絶対にこの会社は伸びない。それは、どの分野でも一緒だ。

部下から「社長よりうまく出来る」「諸岡さん、あまり出来ないな。自分が代わりにやってあげよう」そんな風に思われてもいい、と腹を決めた。

事業で結果を出して、全員が物心両面で幸せになれるほうがよほど大事だ。

一方で、自分しか出せない価値を見つけて、必ず1つの分野で会社のトップであり続ける。メンバー1人ひとりにその覚悟を持ってもらう以上、自分も常に視座を高めて成長し続ける覚悟だ。

自分たち以上の、最高の人材を雇う。目の前でその一流に学びながらも、彼らに負けない自分だけの強みを発揮し続ける。

カミナシをそんなチームにしたいと考えている。

5.権限を奪ってくれる方を探しています

特に下記で、移譲出来る方を探しています!流石に、上記のような奪われ方は心が持たないので、もう少し優しく奪ってもらえればと思いますw

■ビジネス領域
マーケティング
フィールドセールス
インサイドセールス
プリセールス
カスタマーサクセス

■エンジニアリング領域
アプリケーションエンジニア
UIUXデザイナー

■オープンポジション
自由応募(CXO候補含む)

6.(あとがき)カルピスサワーも飲みたいですね〜

このブログをまず社内向けに公開した。そして、メンバーの考え方を聞いていった。その中で1人がこんなことを言った。

「濃い原液だけのカルピスってめちゃ不味くないですか?水入れたほうが美味しくなりますよね!後、僕はサワーとかも入れて飲みたいなー!」

彼は笑顔で言った。

面白くて笑ってしまったが、その通りだと思った。もっと言えば、濃い薄いだけじゃない。フレーバーもある。オレンジ味、ぶどう味など小さな頃によく飲んだ。多様性ってやつだ。

彼はきっと、サッカー元日本代表オシム監督が言っていた、「水を運ぶ人」(決して点を決めたり目立たないがチームとして機能するために汗をかける役割)が必要だということを伝えたかったんだと思う。間違いなく正しい。

でも、今はあえて、その進言を据え置く。

濃いカルピスを薄くするのは簡単だ。でも、逆は難しい。

このnoteの内容は読んでいて気分の良いものではない。特に、まだ成長途上のメンバーにとっては痛い内容だと思う。創業者だって、中々口にしづらい。でも、自分たちのサービスを、歴史に残るほどの偉大なものにするためには、絶対に必要な姿勢だと思ったので書いた。

メンバーの一人ひとりが、いつでも赤い薬を飲む気概を持って、切磋琢磨するチームがあるとすると、最強のチームだと思う。

そんな視座の高い強いチームで、ブルーカラーの世界を変えるという大きな使命を達成したいと考えている。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。私たちは今、10人のチームでこれから大きなチャレンジをしていくタイミングです。「次で勝負したい!」と思われている方には面白いフェーズだと思います。

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