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医療の現場を支えるシステム開発の醍醐味。対面診療のこれまでとこれから

医療の現場を支えるシステムを開発したい――。これは、ヘルスケア・スタートアップLinc'well(リンクウェル)の、創業時から一貫して変わらない思いです。

医療関係者や患者の方々に利便性を提供するため、私たちは病院の対面診療のデジタル化を推進してきました。これまで、予約一覧や問診結果の連携、新型コロナウイルスワクチン接種予約、血液検査結果・新型コロナウイルス検査結果の連携、抗体検査結果の連携、陰性証明書QRコードの生成などいくつもの機能を開発してきたのです。

今回は対面診療に関連する開発を担ってきた、CTOの戸本裕太郎とプロダクトマネージャーの赤根浩平、エンジニアのながやにインタビュー。仕事のやりがいや今後のビジョンなどを聞きました。

CTO 戸本 裕太郎(写真右)
中部電力を経てLinc’wellに参画。中部電力ではCIS/ERPシステムの開発後、全社的なICT戦略の立案・実行、AI・ブロックチェーンを使ったオープンイノベーションを推進。 2018年Linc’wellにエンジニアとして参画。現在はCTOとして、ハスラー+エンジニア的なムーブをしつつ戦略立案とプロダクトマネジメントに比重を置いて活動。
プロダクトマネージャー 赤根浩平(写真左)
オンライン動画学習サービスを提供するスタートアップにてエンジニア・セールス・子会社代表・PdMを経験後、医療AIスタートアップの事業開発を経て独立。現在は自身が立ち上げたリーガルテックサービスの経営・PdM・エンジニアを担いながら、Linc'wellにて業務委託のPM/PdMとして対面診療関連のサービス開発に関わる。
エンジニア ながや(写真中央)
フリーランスとして独立後、自費医療の電子カルテ新規開発、建築業界の施工管理/帳簿サービスの開発・運用などWEBアプリケーションの開発に従事。現在は夜間大学で数学を学びながら業務委託としてLinc'wellにて対面診療の開発に携わる。

患者と医療関係者の両方を支えるプロダクト開発

――対面診療のプロダクトの概要についてお聞かせください。

戸本:対面診療は大きく分けて2つの機能の柱があります。ひとつは患者の診療を手助けするためのアプリ、もうひとつは医療関係者が現場での業務に使用するアプリです。

患者用のアプリでは、病院の予約や問診(事前に病気の状態を伝えておくこと)が実施できるようになっています。また、患者が診断結果をwebで受け取り、通院の履歴なども後から把握できます。LINEミニアプリ版では、処方された薬や医療費の履歴などを確認できる機能も提供しています。

医療関係者向けのアプリでは、患者の予約一覧や問診結果を確認できたり、電子カルテの補助的な機能を提供していたりと、現場のオペレーションを支えるシステムになっています。

対面診療を支援するプロダクトの開発においては「病院の業務サイクルを円滑に回せるようにする機能」と「新型コロナウイルスに関連するシステムなど世の中のニーズが高い機能」の両軸を重視しています。

――対面診療の開発体制はどのように変化してきたのでしょうか?

戸本:創業期は対面診療に関連するプロダクトを私だけが開発している状態でした。その後、2人の社員を雇って開発組織が3名体制になったものの、新型コロナウィルスの影響があってオンライン診療システムの開発が急務となってからは、対面診療にはあまりリソースを割けない時期が続きました。

しかし、コロナ対策が確立されるにつれて、PCR検査やワクチンの予約をwebでできるようにするためにチームを再始動しました。対面診療のシステムはクリニックのオペレーションと表裏一体のものですから、専任で開発する人がいたほうがいいという方針は変えておらず、現在はプロダクトマネージャーとして赤根さんに、エンジニアとしてながやさんを中心に参画してもらっています。

「世の中に必要とされる機能」を開発している誇り

――2人が参画してから、戸本さんの負担は軽減されましたか?

戸本:相当に変わりました。一時期は、私が要件定義や機能の優先順位づけをしたり、Figmaでワイヤーフレームを描いたりと、対面診療に関連する作業をしていましたが、今はほぼ2人に任せています。

先ほどもお話したとおり、対面診療はクリニックのオペレーションと表裏一体になっているため、システム開発だけではなくオペレーション設計や医療関係者への使い方の指南もする必要があります。そうした業務も以前は私が周りを巻き込みつつ推進していましたが、今は2人が率先してやってくれるため、私はプロダクトオーナーとして成果を確認する程度で済んでおり、助かっています。

――赤根さんとながやさんはどのようなスキルを持った方々でしょうか?

戸本:まず赤根さんは過去にもプロジェクトマネージャーや企業の代表取締役を経験しており、プロジェクトを推進するスキルが非常に高い方です。基本的にどんな仕事をしてもうまいですが、特にドキュメント作成は群を抜いて優秀ですね。スピーディーに仕上げて、かつ過不足なく構造化されており品質が高いため、「赤根さんの資料を参考にしてください」と開発組織のみんなに周知しているくらいです。


作成した資料

ながや:赤根さんは本当にドキュメンテーションが上手ですよね。いつもプロダクトの要件などを詳細に資料化してくれるので、読むだけでスムーズに開発に着手できます。これまでの職場でこんなに資料が充実していたことはなかったので、「すごい!」と素直に感動しています。

赤根:本当ですか、良かったです(笑)。

戸本:ながやさんは品質の高いシステムを安定したペースで開発できる、とても優秀なエンジニアです。業務の背景知識からコーディングスキルに至るまでさまざまな要素を学習する意欲が高く、他のメンバーとのコミュニケーションも得意なので、開発を安心して任せられます。

――赤根さんとながやさんは、チームに参画してから印象に残っている開発はありますか?

赤根:新型コロナウイルスのワクチン接種予約の機能はすごく思い出深いです。リリース後に一気にアクセスが集中したので、「今、世の中から本当に求められている機能なんだ」と感動しました。

この機能を開発した際には、医師でもある代表取締役の金子和真さんと直接やりとりをしながら要件を早急に固めました。医療関係者と連携してプロダクトの仕様を決めていくのは、まさにLinc'wellならではという感じでしたね。

ながや:Linc'wellはSlackで医師や看護師といった医療関係の方々と直接連絡を取り合えるので、自分の開発したプロダクトに直接フィードバックをもらえるのが嬉しいです。私は前職時代に電子カルテの開発に携わっていましたが、その頃はほとんど利用者の声を聞く機会がなくて、仕事の手応えが薄かったです。だからこそ、Linc'wellの環境にいると「自分の作ったものが世の中の役に立っている」と思えて、すごくやりがいを感じます。

リモートワーク体制下で円滑にプロジェクトを進めるために

――チームの開発は基本的にリモートワークで行われているそうですが、何か工夫していることはありますか?

戸本:プロダクト・機能の目的や目指す世界観を明確に伝えることですね。スティーブ・ジョブズがマッキントッシュのチームを庭に集めてビジョンを説明していたエピソードが有名ですが、あそこまで絵になるプレゼンではないにせよ、そうした行動は価値が高いと思います。

「自分たちは何を大切にしてシステムを作るべきなのか」に納得できなければ、どんなに優秀なメンバーでもプロダクト開発にエキサイトメントを感じることなんてできないでしょう。そうなれば、結果的に良いプロダクトも作れなくなります。特に私たちの事業の場合、患者やクリニックのことを理解せずに作ったシステムは自己満足になってしまいます。

だからこそ、「どういう方向に進んでいきたいのか」「誰がどうハッピーになるのか」など、プロダクト開発の“なぜ”を形作る材料を必ず共有しています。リモートワークの場合、意識しなければこうした空気感を醸成できませんから、私が率先してファーストペンギンの役割を担っています。

ながや:確かに、戸本さんはプロダクトを開発するうえで前提となる情報を常に共有してくれるので、すごく安心感を持って仕事を進められます。それから、Linc'wellは他のメンバーに話しかけやすい雰囲気があるので、リモートワークでもコミュニケーションを取りやすいです。Discordなどでいつも誰かが相談に乗ってくれて、心理的安全性の高い環境で作業を進められます。


赤根:先ほどもドキュメンテーションの話が出ましたが、リモートワークでプロジェクトを推進するからこそ、意識的にドキュメントをきちんと整備している側面はあります。情報の不足がないように、かつ不必要な部分にこだわりすぎないようにというバランスを意識しています。

戸本:ドキュメントドリブンでプロジェクトを進めるのは本当に大事だと思いますね。

――医療業界の知識を得るために、努力していることはありますか?

ながや:私は前職で電子カルテに関連したシステムの開発をしていたこともあり、医療関係のサービスにはもともと強い興味を持っていました。そのため、個人的に医療関係のシステムのことを調べていました。

さまざまな企業のオンライン診療系サービスのUI・UXを比較したこともあります。実はLinc'wellの開発チームに参画したのも、オンライン診療のサービスが本当によくできているのを見て「ぜひこの会社で働いてみたい」と思ったからなんです。それから、日本のさまざまな地域や世界各国で、PCR検査の陰性証明書がどのような形式で発行されているのかを調べたこともあります。

戸本:ながやさんは本当に勉強熱心ですよね。自主的にいろいろ調べて仕事に活かす取り組みには感心させられます。陰性証明書発行のプロジェクトにおいては、先行的に開発されている国内外のシステムを調べてくれただけではなく、自分でそうしたサービスを体験するために出張してくれました。

出張先から「他社のこういうところがリスペクトできた」とか「Linc'wellならばこういう設計にするんじゃないか」とレポートしてくれたんです。普通のwebエンジニアはそんなことをしませんから、フットワークに驚かされました。

プライマリ・ケアが実現できるサービスへ

――Linc’wellでプロダクト開発に携わるやりがいや意義について教えてください。

戸本:Linc’wellはシステム開発だけではなくクリニックのプロデュースも行っているため、サービスを利用するエンドユーザーとの距離が近いことは大きな魅力だと感じています。医療関係者から良いことも悪いこともすぐフィードバックされますし、そのフィードバックに嘘がありません。より良いプロダクトを開発するうえで、非常に参考になります。

ながや:社会的意義が大きい仕事をやっている実感があります。医療の現場を支えるプロダクトを開発できて、徳を積んでいる感じがあるというか。……なんだかお坊さんのようなことを言ってしまいました(笑)。

一同:(笑)。

赤根:戸本さんの話とも共通する部分がありますが、Linc’wellの事業が持つ独自性は、医療に関わる各種の業務フローを、垂直統合的に扱っていることにあります。医療に関連する業務や体験を全体最適化できるため、すごく意義のある仕事をしている実感があります。


――今後、目指しているビジョンはありますか?

ながや:個人的なビジョンではありますが、実は、私はエンジニアの仕事をしつつ夜間の大学に通っており、数学の講義などを受けています。そのうち、統計の知識などを活用してLinc’wellのサービス開発などに活かせたらいいなと思います。

戸本:Linc’wellが提供している各種のプロダクトは、元からあった医療体験をデジタライズしましたが、まだ真の意味でなめらかなDXや、より現代的な医療体験を生み出せてはいないと考えています。

例えば、今後実現したいのはコンシェルジュのような機能ですね。医師に相談するまでもない、あるいは相談する前に自分なりに情報収集したいときってありますよね。特定の症状が出ている場合に何の病気なのか候補を伝えてくれるとか、クリニックに行った後のフォローアップとして、体調を整えるためにどんな行動をとるべきなのかを助言してくれるとか。

医療の世界には「身近にあって、何でも相談に乗ってくれる総合的な医療」という意味のプライマリ・ケアという概念がありますので、引き続きそれをシステムで実現していきたいです。

赤根:戸本さんの意見と近いですが、かかりつけクリニックのようなサービスを実現していきたいです。自分たちのプロダクト開発によって、医療をより身近で安心感のあるものにしたい。それは、Linc’wellの事業モデルだからこそ実現できることだと思っています。

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