『エンジニアリング組織論への招待』の著者が、コンサル会社に伝えた9つのエンジニア文化

これまで社内、社員に的を絞ってインタビューを実施してきましたが、今週は 技術アドバイザーとして2017年8月から弊社をサポートいただいている、株式会社レクターの広木大地氏に時間をいただきました。テック組織化を目指すコンサルティング会社に広木氏が伝えた9つのエンジニア文化について、お伺いしました。

株式会社レクター

CTO経験者4人によって創業し、多くのCTOパートナーがいる唯一の会社。CTOの経験を集積し型にして、広く社会に還元することを目標にしている。技術組織のコンサルティングからトレーニングメニュー開発、技術顧問など技術組織構築を基点とした幅広い支援をしている。

広木大地氏

新卒第1期として株式会社ミクシィに入社。同社メディア統括部部長、開発部部長、サービス本部長執行役員などを歴任。2015年同社を退社。現在は技術組織顧問として複数社のCTO支援を行なっている。著書『エンジニアリング組織論への招待』は2018年 ブクログ大賞ビジネス書部門で大賞を受賞。

サポート当初は、エンジニア組織への理解がない素人集団

インタビュアー:サポートを開始した2017年8月当時、リンクアンドモチベーションのプロダクト開発組織はどんな状態でしたか?

広木:当時、モチベーションクラウドは開発パートナー数社と開発を進めていました。その当時は、「パートナー」という対等な関係性よりも、受注者と発注者という表現の方が近いものでした。

そもそも、社員が働いている執務エリアにパートナー企業のエンジニアはあまりいることはなく、一部の会議室にすし詰めになって開発をしていました。これはこれで営業チームの騒がしさがない中で開発を進められるため、近視眼的にはメリットはあります。むしろ、パートナー企業からの提案でもあったようです。うるさい中では誰も仕事をしたくないですからね。

しかし、一般的にお互いに見えないところにいると徐々にお互いに対する敬意が失われてしまうことがあります。そのため、開発チームが「集中してコーディング」したいときがある、ということすら、理解の外に行ってしまいます。お互いのことを理解するという意思こそが「敬意」の源泉になります。

しかも、フロントエンドとバックエンドで開発していたパートナー会社は別会社だったので、コミュニケーションラインはそれぞれのリーダーを経由したものが主でした。開発のタスク管理やコミュニケーションツールも、それぞれのパートナーで別のものを利用していました。こうすると、フロントエンドから見たバックエンドと、バックエンドから見たフロントエンドという壁が生まれやすくなってしまいます。

私たちは、開発パートナーの方々と真の「パートナー」関係を結ぶことを最初に目指し、その先にリンクアンドモチベーションという会社自身がプロダクトづくりの主体になれるよう支援を始めました。

コミュニケーションのあらゆる壁を取り払った

インタビュアー:そのような状態から最初に何に取り組みましたか?

広木:「コミュニケーションの壁を取り払うこと」「開発における組織的・文化的な資産が現場に蓄積されること」を第一に目指しました。

現場にはコミュニケーションを妨げる様々な壁が存在します。フロントエンジニア/バックエンジニアの壁や発注者/受注者の壁、デザイナー/エンジニアの壁、エンジニア/PMの壁などです。多くの壁を乗り越えてリンクアンドモチベーションのマネジメント下でプロダクト開発が進むような、環境づくりを支援して行きました。

具体的には、機能開発に必要な役割の人が混在するチーム体制に変更したり、開発知識やバックログ、ソースコードを一元管理できるようにしました。つまり、問題が起こった時にいち早く察知して解決できるような、振り返れるようなコミュニケーションラインの整備が最大のテーマでした。

リンクアンドモチベーションはこれまで、組織領域のコンサルティングを通して顧客のコミュニケーション改善に取り組んできた会社です。そのため、自社のコミュニケーションにはどこよりも投資をしている会社でもありました。だからこそ、エンジニアリング組織をつくるための第一歩はコミュニケーションであるということをすぐに理解してもらえました。そしてひとつひとつの指摘を実践するまでが素早く、それは僕らにとっても驚きでした。



インタビュアー:実践する中でもっとも大変だったことは何ですか?

広木:お互いの文化や習慣、価値観を擦り合わせることです。コンサルタントとエンジニアの文化や習慣は、当然違います。これらの相違にどう向き合うかが大切ですし、難しいことです。

その中で「異なる価値観を持つ相手に敬意を持つ」ということが大事になります。「敬意」といえば聞こえがいいのですが、その言葉が「無関心」を意味してしまうことがあります。「あなたをプロとしてリスペクトしているので任せます」というのは、権限委譲に見えて聞こえはいいのですが、その人のプロフェッショナリティについては関心がないということを意味してしまいます。

これと同じことが、現場でも起こっているように見えました。「わからないから任せる。でも、結果としてはなんとかしといてくれ」これらが問題点を言い合えない関係性を生み出してしまいます。お互いリスペクトしているつもりなのです。

そこで短い期間ごとに生み出した成果について、お互いに振り返るという習慣づけを支援していきました。そのうちに問題があってもそれを話し合える関係をつくる。そういうお手伝いをしていきました。

また、様々な技術や経験を持ったフリーランスのパートナーさんにどんどん参加していただき、エンジニアリングに必要な文化や当たり前の習慣が生まれるような環境を作れるように苦心しました。内製や外注という区別よりも、習慣や文化を組織に根付かせることが一番難しく、重要だからです。

とはいえ、まだまだ発展途上な環境ですので、よりよい文化を作ることやエンジニアリングの文化づくりを楽しみたい方にはうってつけの環境です。

リンクアンドモチベーションはエンジニア文化を内包していた



インタビュアー:アドバイスする中で発見した、リンクアンドモチベーションの良さは何かありますか。

広木:確固たる哲学に基づいてビジネスを展開していることです。そしてその哲学は実は、エンジニア文化との親和性が高いと感じました

インタビュアー:もう少し詳しく伺ってもいいですか。

広木:リンクアンドモチベーションが大切にしているスタイル(行動指針)は下記9つなんですが、コミュニケーションの壁を取り払うための要素をまとめたものです。私が理解したことは、次のようなものです。



これらの考え方は、アジャイルなどをはじめとする良いエンジニアカルチャーそのものです。リンクアンドモチベーションのオフィスには、哲学書や構造主義といった社会学の書籍がずらっと並んでいます。初めて訪問して拝見した時におもわず「ニヤっ」としてしまいました。



というのも、これらは、西海岸のシリコンバレーの文化の源流となるものだったりします。最近になって目新しく日本にやってくる考え方の大元が、そこには並んでいたのです。そのため、僕はリンクアンドモチベーションがエンジニアのカルチャーを作っていくことができるだろうという確信を得ました

人の弱さを知っているエンジニアはリンクアンドモチベーションに合う

インタビュアー:最後にズバリ、広木さんが考えるリンクアンドモチベーションに合うエンジニア像を教えてください!

広木:エンジニアリングを一言で表現すると「人間は弱いと理解すること」だと考えています。人間が組織(チーム)をつくるのは、ひとりではできないことを実現するためです。実はシステムも一緒で、ひとりでは処理できないからシステムをつくります。つまり、組織をつくることもシステムをつくることも、目的は同じです。人間を含めたシステムに興味があるエンジニアにとって、システムづくりと組織づくり両方に関われる環境はとてもやりがいがあると思います。そんなやりがいを求める方はリンクアンドモチベーションの話を一度聞いてみてください。

インタビューはいかがでしたか?

リンクアンドモチベーションでは、インタビューにお答えいただいた広木さんと、エンジニアのための銀座寿司会を開催しています!ご応募いただいたエンジニアの皆さんから抽選で複数名交えた交流会です。リンクアンドモチベーションについて知りたいという方はもちろん、広木さんと話したい、エンジニアと交流したいという方もぜひご応募ください!ご応募は下記Twitterをご覧ください!

株式会社リンクアンドモチベーション's job postings
33 Likes
33 Likes

Weekly ranking

Show other rankings
If this story triggered your interest, go ahead and visit them to learn more