良い炎上、悪い炎上とは何か? キングコング西野亮廣氏との対談も収録、『新ヒットの方程式』出版記念インタビュー【第2回】

こんにちは! スパイスボックス入社1年目、プランナー、ライター兼採用広報の松原です。

前回に引き続き、スパイスボックス副社長 物延秀の著書『新ヒットの方程式』〜ソーシャルメディア時代は「モノ」を売るな「共感を売れ!」(宝島社)〜に関するインタビューの続きをお届けします。(第1回はこちら。


2018年1月の成人式当日に起きた「はれのひ事件」。被害に遭った新成人を救うべく、いち早く「リベンジ成人式」を企画して話題を集めたのがキングコング西野亮廣さんです。“炎上”をものともせず、Web上での話題喚起を得意とする西野さん。本書ではその西野さんと物延の特別対談を収録しています。対談では、いかにクラウドファンディングを活用して自身4作目の絵本『えんとつ町のプペル』を制作したかやタレントと広告コミュニケーションの関係など、二人で様々な角度から新しいヒットの仕組みについて語り合っています。(※Amazon


物延インタビュー企画の第2回では、この特別対談の感想やソーシャルメディア発のヒットと関わりの深い「炎上」について語ってもらいました。

特別対談したキングコング西野亮廣氏について

ーー西野さんとの対談ではどのような発見がありましたか?

西野さんとお話しするなかで、タレントのあり方の大きな変化を改めて感じました。これまでの芸能人やタレントは、テレビを中心に活躍してきましたし、テレビ出演をいちばんの目標としてきた方も多かったと思います。ですが、ソーシャルメディアの普及で活躍のフィールドが一気に広がりました。タレント個人の影響力で勝負できる時代になってきたのではないでしょうか。例えば、これまでの芸能事務所はテレビに出る人の育成やマネジメントがメインビジネスでした。既にYou Tuberやインスタグラマーをマネジメントする事務所が登場していますが、今後はそういったテレビを主戦場としないタレントをマネジメントする会社がより増えていくように思います。



ーーお話してみて西野さんにどのような印象を抱きましたか?

純粋な方だなと思いました。深く考え込む前にとにかく行動してみようというタイプの方ではないでしょうか。色々な人とコミュニケーションを取ることで知識を蓄えて、思いついたアイディアをどんどん実行していっていますよね。例えば、本書で詳しく説明していますが、いち早くクラウドファンディングというシステムに目をつけて、利用する姿は多数のメディアで取り上げられました。この時は、集めた金額が注目され、誤解によるバッシングなどもあったようです。しかし、クラウドファンディングで大事なのは支援額ではなく、“支援者を制作者側に引き込む”視点だと本質を突いたお話しをしていました。賛否両論を巻き起こしながらも、どんどんアイディアを実現させるのがすごいところだと思います。

Webにおける良い炎上、悪い炎上とは?

ーー「炎上」についてのお話もありました。現状、日本においては「炎上」=「批判的な反応」でありネガティブなものという印象があります。

たしかに、日本ではお色気系の表現をした動画広告が炎上して、1日で削除されるなどの例がありました。でも、実は「良い炎上」もあります。世界的に見ると広告コミュニケーションとしては、日本人がイメージするいわゆる「炎上」の構造とは異なる事例がどんどん出てきています。


例えば、世界最大級の広告クリエイティブの祭典カンヌライオンズ 2017で、3部門受賞を達成した「Fearless Girl(恐れを知らぬ少女)」の事例は非常に分かりやすかったと思います。

quietbits / Shutterstock.com

「Fearless Girl」は、アメリカの金融会社「ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ」による広告施策です。同社の金融商品の宣伝として「金融業界における女性の不平等な立場」を訴え、ニューヨークの金融街ウォール・ストリート近くにある有名な雄牛の銅像チャージング・ブルの前に少女の銅像を設置しました。チャージング・ブルは、その猛々しい姿から男性社会である金融街の富や権力の象徴のようにも見え、雄牛に毅然と立ち向う少女の姿にアメリカ中から共感や賛辞が集まりました。


しかし、これに対して同時に批判の声も多数挙がりました。分かりやすいのは、「メッセージは立派だが、しょせん広告」というもの。また、実はチャージング・ブルはもともと1980年代にアメリカで起こった歴史的金融危機を「乗り越えよう」というポジティブな意思が込められた銅像だったので、「制作意図を歪められている」と作者が猛反発しました。


こうしてみると「Fearless Girl」における炎上の構造は、「ある事象に対する一方的な批判」ではなく、賛否の応酬であり、これによって話題が長期間にわたって拡散し続けました。広告コミュニケーションという意味では、賛同の他に多数の批判があったとしても、そのことで施策が継続的に話題になり続けることには大きな意味があります。


今回の施策では、炎上を恐れずに問題提起することで、多くの人に社会課題に対する気付きを与えるとともに広告主の存在を世界中に知らしめました。強いメッセージ性のあるコンテンツを世に出すことは非常に勇気がいります。日本ではまだそうした事例が多いとは言えませんが、昨年末の「レッドブル・エアレース」ではこれに近いことが起こっていたようです(※)。今後は、批判を恐れずに自分たちが伝えたいことを真正面から伝え、コアなファンの獲得を狙うような施策が増えていくんではないでしょうか。


(※)参考:2017年に最もシェア拡散された国内施策を発表 2018年のキーワードは「賛否両論のデュアル拡散」


(次回につづく…)


以上、物延インタビューでした。炎上を恐れずに広告の力で社会課題にアプローチすることは、結果的にプロモーションの質を高めることにつながると思います。文化の違いはありますが、「Fearless Girl」のような事例が日本にも現れたら素敵だなと思いますし、個人的にはそうしたクリエイティブ企画に挑戦することを目標としたいです!


最終回では、これからの広告コミュニケーションのあり方について、本書には収録されていない事例も交えて考えていきます。アメリカ合衆国大統領選挙でトランプ大統領が当選して早一年。既に2020年の大統領選挙に向けた候補についての報道もなされています。めまぐるしく変わる世界情勢の変化に対応しうる広告モデルについて聞いていきます。

==

2018年3月からスタートした、スパイスボックスの19新卒含むポテンシャル採用のテーマは「語ろう」。現状のスキルで判断するのではなく、大切にしている価値観を共有できるたくさんの仲間に出会いたいと思っています。選考過程や座談会を通して現場の若手からリーダー、経営層までじっくり語り合える場を用意しています。

ご興味のある方は、ぜひ以下募集をご覧ください!


プロデューサー、クリエイティブ
19新卒&既卒、学年、就業経験不問。デジタル広告の未来創りをしたい人募集!
2003年、デジタル広告の黎明期にデジタルエージェンシーとして創業したスパイスボックス。私たちは、いち早くデジタル・コミュニケーションの可能性を信じ、自分たちの手で道を切り拓いて来た会社です。これまで、日本を代表するさまざまな大手企業のブランディング、プロモーション施策を手がけてきました。 現在、私たちが事業の中心にしているのは、SNSなどのソーシャルメディアを通じて生活者に企業やブランドへの好意や共感を生む広告コミュニケーション「エンゲージメント・コミュニケーション」。ソーシャルメディア時代に強く求められる、広告コミュニケーション手法にオリジナルの強みを持つ会社です。 「エンゲージメント」とは、いいね!やリツイート、シェアなどSNSを含むソーシャルメディア上で発生する生活者の能動的なアクションのこと。より高いエンゲージメントを獲得する広告コミュニケーションをいかに生み出すか、その「戦略立案」から「クリエイティブ制作」、メディアへの「ディストリビューション(情報流通)」、独自のソーシャルリスニングツールTHINKによる「効果検証」までをワンストップで行っています。 具体的には、以下のようなサービスを通して、私たちは新しい広告コミュニケーションの可能性に挑み続けています。 ●●自社サービス ・『THINK』 開発を進めている【AI】×【エンゲージメント・コミュニケーション】 プラットフォーム。人工知能でソーシャルメディア上からイシュー(社会課題など生活者の興味・関心)を捉え、コミュニケーション施策の根幹をプランニングする。 ・『BRAND SHARE』https://www.spicebox.co.jp/services/brand_share/ ブランド・エンゲージメント調査(SNS上の生活者の口コミ、行動の独自調査)・分析、クリエイティブ制作、メディアプロモート、独自システムによる効果計測をワンパッケージで提供するシェア拡散型コンテンツマーケティング支援サービス) ・『Brand Community』https://www.spicebox.co.jp/news/2018/05/brandcommunity/ ソーシャルトライブ調査(企業やブランドがコミュニティ形成をする際にアプローチすべき「トライブ」や「TOL」、企業、ブランドの「ファン」などをInstagram、Twitter上から発掘できる)を活用したインフルエンサーマーケティング支援 ●●自社メディア ・『DiFa』(デジタル×ファッション専門メディア)https://www.difa.me/ ●●事例 ・広告コミュニケーション施策事例 http://www.spicebox.co.jp/works/
株式会社スパイスボックス


コンテンツディレクター
19新卒:語られるコンテンツを生み出す映像ディレクター、アートディレクター
2003年、デジタル広告の黎明期にデジタルエージェンシーとして創業したスパイスボックス。私たちは、いち早くデジタル・コミュニケーションの可能性を信じ、自分たちの手で道を切り拓いて来た会社です。これまで、日本を代表するさまざまな大手企業のブランディング、プロモーション施策を手がけてきました。 現在、私たちが事業の中心にしているのは、SNSなどのソーシャルメディアを通じて生活者に企業やブランドへの好意や共感を生む広告コミュニケーション「エンゲージメント・コミュニケーション」。ソーシャルメディア時代に強く求められる、広告コミュニケーション手法にオリジナルの強みを持つ会社です。 「エンゲージメント」とは、いいね!やリツイート、シェアなどSNSを含むソーシャルメディア上で発生する生活者の能動的なアクションのこと。より高いエンゲージメントを獲得する広告コミュニケーションをいかに生み出すか、その「戦略立案」から「クリエイティブ制作」、メディアへの「ディストリビューション(情報流通)」、独自のソーシャルリスニングツールTHINKによる「効果検証」までをワンストップで行っています。 具体的には、以下のようなサービスを通して、私たちは新しい広告コミュニケーションの可能性に挑み続けています。 ●●自社サービス ・『THINK』 開発を進めている【AI】×【エンゲージメント・コミュニケーション】 プラットフォーム。人工知能でソーシャルメディア上からイシュー(社会課題など生活者の興味・関心)を捉え、コミュニケーション施策の根幹をプランニングする。 ・『BRAND SHARE』https://www.spicebox.co.jp/services/brand_share/ ブランド・エンゲージメント調査(SNS上の生活者の口コミ、行動の独自調査)・分析、クリエイティブ制作、メディアプロモート、独自システムによる効果計測をワンパッケージで提供するシェア拡散型コンテンツマーケティング支援サービス) ・『Brand Community』https://www.spicebox.co.jp/news/2018/05/brandcommunity/ ソーシャルトライブ調査(企業やブランドがコミュニティ形成をする際にアプローチすべき「トライブ」や「TOL」、企業、ブランドの「ファン」などをInstagram、Twitter上から発掘できる)を活用したインフルエンサーマーケティング支援 ●●自社メディア ・『DiFa』(デジタル×ファッション専門メディア)https://www.difa.me/ ●●事例 ・広告コミュニケーション施策事例 http://www.spicebox.co.jp/works/
株式会社スパイスボックス
株式会社スパイスボックス's job postings
5 Likes
5 Likes

Weekly ranking

Show other rankings