【講演レポート】『スマート保育環境整備』に向けた有識者による講演会

2019年10月9日 東京・丸の内において、「少子化・人口減少時代に考える、変化する保育のあり方とこれから選ばれる・選ぶべき保育園とは? 『スマート保育環境整備』に向けた有識者による講演会」を開催いたしました。

開催概要

■特別登壇:
・内閣府 子ども・子育て本部 少子化対策担当 参事官 南 順子氏
・株式会社パパスマイル 代表取締役 永田 哲也 氏

■パネルディスカッション
テーマ:「幼児保育無償化」にあたり、保育を取り囲む環境がどう変化するのか

・白梅学園大学大学院特任教授 無藤 隆 氏
・玉川大学教授・日本保育学会副会長 大豆生田 啓友 氏
・ユニファ株式会社 代表取締役CEO 土岐 泰之

本日は、パネルディスカッションにて交わされた議論の一部をご紹介します!

幼保無償化で改めて考える“保育の質”と保育士の働き方

幼保無償化がいよいよスタートし、今回の幼保無償化の背景や目的、今後の保育業界においてどのような変化が起きてくるかについて話す中で、保育士の現場で抱えている課題が”保育の質”の向上と密接な関係にあることについて触れました。

無藤先生:すべての幼児に一定水準の保育環境が与えられることを目指すという観点では、ほぼ2兆円を超える予算をかけて幼児教育が無償教育・義務教育化されたことの意義は大きいです。同時に、待機児童が一時的に増えざるを得ないという懸念はあります。

その状況をうけ、幼稚園がさらに縮小し、大部分が認定こども園に転換する、あるいは幼稚園の預かり保育を活用する人が増えることで、一部の都心部を除いては、大部分の幼稚園が保育園の機能を併せもつようになるでしょう。

一方、一部家庭にとっては従来かかっていた教育費が余るので、家庭教育の拡充・充実をもたらす可能性もあります。

いちばん大きな懸念は、”保育の質”の低い施設の新規参入が起こりうること。現状そのチェック機能が存在しないので、そこをどう改善するかも重要です。


大豆生田先生:子育てに関わる人たちが本当に支えられているという実感がもっと必要なのではないかと考えます。

保育の現場は11時間労働を強いられ、更に人手不足になってきます。ただ無償化するだけでは解決できない。保育の質の向上が必ず必要になります。

保育士の現場は現状本当に大変な状況に置かれているのです。



ICTをうまく使って、子どもとの対話を豊かにしていく

無藤先生:保育とは本来人との対話であり、子どもと向きあう現場です。人とものが一緒になって子どもの成長を支える現場です。そこに近年ICTが加わってきました。

ICTの活用により、単にこれまでの業務が楽になるというだけではなく、『保育って楽しいな』と保育士自身がと思えることが大切です。

保育士一人一人がもっと子どもと一緒に遊べる、過ごせる時間を増やせるのが、保育が楽しいということではないでしょうか。

また、写真などを用いた振り返りを深く行い、子供がやっていることの意味を理解し、保育の意義に気づけることです。※1

ICTを導入した環境が、子どもにとって豊かで意味のあることだ、ということを保育士が見定められるようになることです。

※1.現在ユニファ社で取り組んでいる、保育振り返りの記録として写真・ドキュメンテーションを活用するサービスの監修をしていらっしゃいます。

保育士たちの心のケアが重要

土岐:どれだけ楽になっても、先生たちが本質的な面白さを感じなければ意味がないですよね。保育園における先生の心のケアも、組織運営において重要ではと考え、ユニファでは『先生の心の天気予報』を判断できるサービスも提供しています。将来的にはオンラインでのカウンセリングなどもできるのでは、と思っています。

組織や保育士の先生たちの心のケアなどに関しては、いかがでしょうか?


無藤先生:保育園も組織です。組織としての全体の質を上げる視点も考える必要があります。

個々の労働環境改善、働き方改善は、子どもがどこにいても、担任がいなくても安心して過ごせる保育を受けられることにも直結します。

違う年齢の子とも遊べる環境づくり、コミュニケーション・共同作業を可能にする仕組みづくりが重要で、キッズリーなどを活用して連携をとることなども非常に有効だと思います。

保育を豊かにするためには、先生たちの感覚も大事にしながら、新しいICTをぜひ試していただきたい。


大豆生田先生:保育士の離職理由は大きく4つあります。低給与・労働条件・職場での人間関係・負担過多。このうち人間関係の問題については、写真で情報共有をすることで、明らかに先生同士はもちろん保護者も含め対話が生まれていることもあり、問題の解消につながるのではないかと考えています。

保育園の組織をどうするかではなく、保護者、地域も巻き込んでいく。

子どもを地域ぐるみで育てる、地域づくりの拠点としての保育園がある、そんな意識を醸成することが大切です。

ICTをうまく使うことで、人と人との関わりを増やすことにもつながります。人にしかできないことが大事にされていきます。


幼保無償化の話から“保育の質”、その背景の保育士という仕事の問題にまで話は及び、それらを助けるためのICTというツールの活用について熱い議論が交わされ、アンケートでは「時間が足りない」というお声も多数いただくほどでした。

ご来場いただき、誠にありがとうございました。

当日の詳しいレポートは、別途動画などの形でお届けする予定です。楽しみにお待ちください!

講演会の中で、紹介させていただいた、ユニファが目指す「スマート保育園」のイメージもぜひご覧ください。

ルクミー WEBサイト https://lookmee.jp/

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