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米、公民権運動と広告業界のざわめきの類似点。サイカが掲げる新ビジョンは「公民権を求める宣誓文」

2020年、サイカは企業が目指す目的地であるビジョンを刷新しました。「才能開花に満ちた公正な世界をつくる」。これが我々の新たな道標です。ここでいう「才能開花」とはなにか。そして今、この世界は「公正な世界」ではないのか。

この答えは後ほど平尾に聞くとして、世の中には、生活に溶け込み当たり前となっている古くから残る慣習が数多く存在します。そして我々は、これらの慣習がある種の理不尽さをはらんでいたとしても、なかなかその違和感に気付くことができません。

しかし、世界は日々変わっていきます。世の中は、より良い経済体験を求めて、より確かな公正を求めて変化し続けています。昨今では、誰もが自らの違和感を発信しやすくなりました。一人の小さな発信が、大きな時代のうねりになることもあります。世界が進化する過程において私たちは、残存する不公正な慣習を壊し、新たな仕組みを再構築しなければなりません。

サイカは、このような不公正な構造をディスラプトし、ものづくりのサイクルをもっと健全なものに、そしてものづくりをする人の努力が適正に評価される公明正大な世界をつくろうとしています。

サイカが目指す未来について、代表の平尾喜昭に聞きました。

マーケティング誕生以来、広告主とメディアが目指した理想世界が近づいている

平尾:サイカがどんな会社なのかと聞かれれば、こう答えます。広告業界における公民権運動のリーダーだ、と。

まさに、「I have a dream.(私には夢がある)」の演説で知られる、アメリカ公民権運動の立役者キング牧師のような存在でしょう。アフリカ系アメリカ人の「(白人と)平等に生きる権利」が侵害されたかつてのアメリカで、彼は皮膚の色や出身による差別の是正とすべての人の自由、そして民主主義を求めました。不公正な社会構造によって選択の自由がなく不平等を強いられた多くの市民は、見えない力学によって物事が決まる世界から卒業し、「自らの努力が正しく評価される国」をつくろうとしたのです。

この運動は、今からおよそ半世紀も前に「1964年公民権法」でひとまずの決着をつけます。しかし、いま例に挙げたような不公正な状態が、いまだ社会に残っているとしたらどうでしょう。

引き続きアメリカでの事例を参考にします。2016年6月に発表された全米広告主協会(the Association of National Advertisers)による『メディアの透明性に関するレポート』の影響は凄まじいものでした。レポートは、不特定多数の広告出稿主の広告出稿料に対する原価を開示したものです。リベートやキャッシュバックなど、おかしなお金の流れがはっきりと明るみに出た結果、アメリカの主要広告代理店の株価は下落し、今も戻っていません(※1)。

※1:全米広告主協会がレポートを公開した1年後、2017年頃から大きく問題視されるようになった。世界第1位の広告代理店WPPの株価は2017年のピーク時と比較し、2019年には半値まで下落。そこからさらに下がって今に至る。世界100カ国以上で事業を展開するフランスの大手広告代理店Publicisの株価も4割安まで下落した。

あまりに大きな情報の非対称性は見過ごせない

こうした動きの背景には、この20年間で大きく台頭したオンライン広告の功績があると思います。今まで見えなかった費用対効果の「見える化」が進み、ある程度の広告成果が把握できるようになりましたから。オンライン広告に続いて、「じゃあ、オフライン広告は?テレビCMは?」と疑問が生まれるのも不思議ではありません。

サイカは、すべての人が自らの手でデータを分析し、広告の価値を適正に評価できる世界の実現に向けて挑み続けてきました。2020年に発表したXICA ADVAは、マーケティングのPDCA全てにデータサイエンスを実装することで、マーケティング施策のROIを最大化するソリューションです。

広告主は広告宣伝費に巨額の投資をしています。売上の約10%以上を広告宣伝費が占める業種もあり(※2)、東洋経済が発表した『「広告宣伝費」が多いトップ300社ランキング』でもっとも売上高広告費比率(売上高のうち広告宣伝費が占める割合)が高い企業は、売上の6割以上を広告宣伝費に投入しています。

これほど巨額の費用を投じているにもかかわらず、広告主が適正な情報をもとに意思決定できているとは言いがたい状況です。私は、この現状に強い違和感を感じています。あまりにも大きな情報の非対称性は、やっぱり誰かがどうにかしなきゃいけないと思うんです。

2012年、2人でサイカを創業した当時から、私たちは“分析屋”として「データ分析の民主化」を目指してきました。それから9年、サイカは今も変わらず、積み上げてきたデータサイエンスの専門知識を武器に、データ分析の民主化に取り組んでいます。

XICA ADVAは、マーケティングにまつわるクライアントの課題を解決するソリューションであると同時に、すべての人が同じ土俵に乗り、公民権を勝ち取るための宣誓でもあるのです。

※2:https://www.dentsu.co.jp/knowledge/ad_cost/2018/business.html

「才能開花に満ちた公正な世界を作る」ために

ここまでに話したことを背景に、2020年サイカは新たなビジョンを掲げました。「才能開花に満ちた公正な世界をつくる」。

ここでいう才能開花とは「個々人の力が100%発揮されている状態」のことで、才能開花の対象は広告主とメディアです。良いプロダクトやサービスを作る企業と、消費者の心を動かす広告・コンテンツを作るメディア。それぞれのものづくりによって生み出される価値が、業界の構造や情報の非対称性に左右されることなく、市場でフラットに評価される公正な世界をつくる。

当たり前のように聞こえるかもしれません。でもそれは、公正でないことに気がついていないからそう思うのです。それは今まで紹介してきたごく一部の例から汲み取っていただけるかと思います。

これまで世界中で起きてきた革命は、世の中の不条理をなくし公正を求める戦いでした。公正というのはそれだけ難しく尊いもの。不公正の根本原因である情報の非対称性が解消されれば、世界は変わるでしょう。

大げさなようにも聞こえるかもしれません。しかし振り返ってみてください。広告はすべての人が毎日必ず触れるものではありませんか。広告はわたしたちの日々の消費活動に対して多かれ少なかれ影響を与えています。スーパーの棚にずらりと並ぶ洗剤。どれも効果に大差がないとすれば、「最近みたCMがいい感じだったな」と広告のイメージから商品を思わず手にとってしまうことはどなたにもあるでしょう。となると僕らが適正化するのは、世界の広告市場規模65.3兆円(※3)を超えた、世界経済規模9,200兆円(※4)の市場だと思うんですよ。

それだけの挑戦なので、当然難易度は高いです。ですが、自分が死ぬ間際、振り返った時に誇れる事業だと断言できます。これまで生きていて当たり前になっていた生活様式や世界を変えていくんですから。僕らにとっては、自動車を誕生させたフォードや飛行機を飛ばしたライト兄弟と同じように、壮大なチャレンジなんです。

※3:電通グループ、「世界の広告費成長率予測(2020~2022)」をもとに2021年2月8日時点のレートで米ドル/円換算 https://www.group.dentsu.com/jp/news/release/000371.html

※4:IMF「World Economic Outlook Database(https://www.imf.org/en/Publications/WEO/weo-database/2020/October)」をもとに2021年3月29日時点のレートで米ドル/円換算

「データ分析を民主化」。その目的地の目指し方

ビジョンの刷新にともない、ビジョンへの向かい方を示すミッションも新たにしました。「データ分析を民主化し、マーケティングの適正評価を民主化する」

正直なところ、この壮大すぎるチャレンジに対して今までの我が社の指針は漠然としすぎていました。まるで太陽を目指して走ろうぜ、と訴えるかのような。熱量は変わらず、もっと具体的に、イメージしやすいものへ。ビジョンだけでなく、ミッションも軌道修正した理由はここにあります。

15年後、「データ分析を民主化し、マーケティングの適正評価を民主化する」ことが当たり前になっているように。その頃には、今の広告業界の現状を笑い飛ばせるようになっていたいですね。「昔は広告の効果が見えなかったらしいよ!自分で分析できなかったらしいよ! ありえないよね!」とかって。

僕たちのビジョンやミッションで「公正な世界をつくる」「適正評価」と謳っている理由は、もうお分かりいただけたかと思います。私たちは、偏向社会を変革する解放戦線のプレーヤー。「公正」「適正」って字面こそ優等生ですけれども、それらを勝ち取れるのは、荒々しい革命あってのことなんですよ。

無意識に受け入れている不平等に甘んじず、真摯にものづくりをする人たちの才能開花が実現する世界。それが僕たちの目指す未来です。

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